級数展開|LaTeX

関数を無限級数で表現する級数展開は、解析学の基本であり、物理学や工学でも頻繁に登場する。ここでは主要な級数展開の LaTeX 記法をまとめる。

テイラー展開

のまわりで関数 を展開する一般形がテイラー展開である。

f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(a)}{n!}(x-a)^n

これをレンダリングすると次のようになる。

展開を途中で打ち切る場合は、剰余項 を明示することもある。

f(x) = \sum_{k=0}^{n} \frac{f^{(k)}(a)}{k!}(x-a)^k + R_n(x)

マクローリン展開

のまわりで展開する特殊ケースがマクローリン展開だ。テイラー展開の式で とすればよい。

f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n

以下では主要な関数のマクローリン展開を示す。

指数関数

の展開は最も基本的なものの一つである。

e^x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{x^n}{n!} = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \cdots

この級数はすべての実数 で収束する。

三角関数

正弦関数と余弦関数の展開は符号が交互に変わるのが特徴だ。

\sin x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n+1)!}x^{2n+1} 
       = x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \cdots

\cos x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!}x^{2n}
       = 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \cdots

は奇関数なので奇数次の項のみ、 は偶関数なので偶数次の項のみで構成される。

対数関数

自然対数 (ただし )で収束する。

\ln(1+x) = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n+1}}{n}x^n
         = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} + \cdots

等比級数

等比級数の和は で次のように表される。

\frac{1}{1-x} = \sum_{n=0}^{\infty} x^n = 1 + x + x^2 + x^3 + \cdots

この式は他の級数を導出する際の出発点としてもよく使われる。

一般化二項展開

実数 に対する の展開は、二項係数を一般化した形で書ける。

(1+x)^\alpha = \sum_{n=0}^{\infty} \binom{\alpha}{n} x^n

ここで一般化二項係数は次のように定義される。

\binom{\alpha}{n} = \frac{\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)\cdots(\alpha-n+1)}{n!}

展開形は以下のとおり。

が正の整数のときは有限和になり、通常の二項定理に帰着する。

オイラーの公式

複素数に拡張すると、指数関数と三角関数を結びつけるオイラーの公式が得られる。

e^{ix} = \cos x + i\sin x

ここで を代入すると、オイラーの等式が導かれる。

e^{i\pi} + 1 = 0

この等式は という数学の基本定数を一つの式に凝縮しており、「最も美しい数式」と呼ばれることもある。