使役動詞・知覚動詞の受動態(was made to do)|中学英語

使役動詞の make や知覚動詞の see, hear などは、能動態では目的語の後に動詞の原形を置きます。しかし受動態にすると、この原形が to 不定詞に変わるという特別なルールがあります。受動態の中でもつまずきやすいポイントなので、仕組みをしっかり押さえておきましょう。

使役動詞 make の受動態

make は「〜に…させる」という意味で使われる使役動詞です。能動態では make + 目的語 + 動詞の原形という形を取ります。

My mother made me clean my room.
母は私に部屋を掃除させた。

この文を受動態にすると、目的語だった me が主語になり、原形だった clean が to clean に変わります。

I was made to clean my room by my mother.
私は母に部屋を掃除させられた。
能動態

make + 目的語 + 動詞の原形(My mother made me clean …)

受動態

be made + to 不定詞(I was made to clean …)

なぜ原形が to 不定詞に変わるのでしょうか。英語では、be 動詞のすぐ後ろに動詞の原形を並べることができません。was cleaned とすると過去分詞になってしまい、意味が変わります。そこで to を挟むことで「これから別の動作が続く」ということを明確にしているわけです。

make 以外の使役動詞はどうなるか

使役動詞には make のほかに let と have がありますが、受動態にできるのは実質的に make だけです。

let の受動態

let は受動態にしません。「許可する」の意味で受動態にしたい場合は be allowed to do を使います。

have の受動態

have も受動態にするのは不自然です。「〜してもらう」の意味を受動態で表したい場合は、別の表現に書き換えるのが普通です。

My parents let me go out.
両親は私を外出させてくれた。
I was allowed to go out by my parents.
私は両親に外出を許された。

let → was let to のような形は使わないので注意してください。代わりに be allowed to を使うのが正しい英語です。

知覚動詞の受動態

see, hear, watch, feel, notice などの知覚動詞も、能動態では目的語の後に動詞の原形を取ることができます。受動態にすると、make と同じく to 不定詞に変わります。

I saw him cross the street.
私は彼が通りを渡るのを見た。
He was seen to cross the street.
彼は通りを渡るのを目撃された。
We heard her sing a song.
私たちは彼女が歌を歌うのを聞いた。
She was heard to sing a song.
彼女が歌を歌うのが聞こえた。

能動態と受動態の形の変化をまとめると、次のようになります。

能動態受動態
saw him crosshe was seen to cross
heard her singshe was heard to sing

知覚動詞 + -ing 形の受動態

知覚動詞は原形だけでなく -ing 形を目的語の後に取ることもできます。原形は動作の全体を、-ing 形は動作の途中を表すという違いがあります。

原形(動作の全体)

I saw him cross the street.(渡りきるのを見た)

-ing 形(動作の途中)

I saw him crossing the street.(渡っているところを見た)

-ing 形を使った文を受動態にする場合、-ing はそのまま残ります。to 不定詞に変わるのは原形のときだけです。

I saw him crossing the street.
私は彼が通りを渡っているのを見た。
He was seen crossing the street.
彼は通りを渡っているところを目撃された。
原形 → to 不定詞

saw him cross → he was seen to cross

-ing 形 → -ing のまま

saw him crossing → he was seen crossing

この違いは試験でもよく問われるポイントです。原形のときだけ to がつくということを意識しておいてください。

能動態から受動態への書き換え手順

使役動詞・知覚動詞の受動態は、3 つのステップで書き換えられます。

目的語を主語にする

動詞を be + 過去分詞にする

原形不定詞を to 不定詞に変える(-ing ならそのまま)

具体例で確認します。

They made the students wear uniforms.
彼らは生徒に制服を着させた。
The students were made to wear uniforms.
生徒たちは制服を着させられた。

by them のように「誰によって」の部分は、行為者が不特定・不明・自明な場合は省略するのが自然です。上の例では「学校側」が制服を着させるのは当然なので、by them は省かれています。

練習問題

「母は私に野菜を食べさせた」を受動態にすると?

  • I was made eat vegetables by my mother.
  • I was made to eat vegetables by my mother.
  • I was made eating vegetables by my mother.
__RESULT__

make の受動態では原形が to 不定詞に変わるので、was made to eat が正しい形です。

「私たちは彼が走っているのを見た」を受動態にすると?

  • He was seen to running by us.
  • He was seen running.
  • He was seen to run.
__RESULT__

-ing 形は受動態でもそのまま残ります。原形 run ではなく running が元の文で使われているので、was seen running が正解です。

「両親は私を外出させてくれた」を受動態に近い意味にすると?

  • I was let to go out by my parents.
  • I was made to go out by my parents.
  • I was allowed to go out by my parents.
__RESULT__

let は受動態にしません。「許可された」の意味には be allowed to を使います。

受動態が使われやすい場面

使役動詞・知覚動詞の受動態は、行為者が不明なときや一般的な事実を述べるときによく使われます。

He was seen to enter the building at midnight.
彼は真夜中にそのビルに入るのを目撃された。
She was made to apologize in front of everyone.
彼女はみんなの前で謝らされた。

特にニュースや報告文では、「誰かに目撃された」「〜させられた」のように、行為者よりも出来事のほうに焦点を当てたい場合に受動態が選ばれます。日常会話では能動態のほうが自然なことも多いですが、受動態の形を知っておくことで、読解力が大きく向上します。

make や see などの使役動詞・知覚動詞を受動態にするとき、原形不定詞が to 不定詞に変わるルールを解説します。