固有時間と世界線
固有時間と世界線は、特殊相対性理論における物体の運動を記述する基本概念です。時空ダイアグラムを使うことで、相対論的な効果を視覚的に理解できます。
世界線とは
時空において、物体が通る経路を「世界線」と呼びます。通常の空間での軌跡に時間軸を加えたものです。
空間座標は変わらず、時間だけが進む。世界線は時間軸に平行な垂直線。
世界線は直線になる。傾きは速度に対応する。
世界線は曲線になる。
時空ダイアグラム
時空ダイアグラムでは、縦軸に時間(通常は )、横軸に空間座標をとります。
固有時間
「固有時間」 は、物体と一緒に運動する観測者が測る時間です。物体自身の時計が刻む時間であり、世界線に沿った「距離」に対応します。
微小な固有時間は、
固有時間は座標によらない不変量です。
世界線の「長さ」
時空では、経路の長さは固有時間で測られます。2点間を結ぶ経路のうち、固有時間が最大になるのは測地線(慣性運動の経路)です。
2点間の最短経路は直線
2点間の固有時間が最大の経路は直線(慣性運動)
これは逆説的に聞こえますが、時空間隔の符号が空間と異なるためです。
双子のパラドックスへの応用
地球に残る双子Aと、宇宙旅行をする双子Bを考えます。
Aの世界線は時間軸に沿った直線です。Bの世界線は、出発、方向転換、帰還という折れ線になります。
2人が再会するとき、経過した固有時間は異なります。直線経路(A)の固有時間が最大なので、Aの方が年をとっています。これが双子のパラドックスの解答です。
イベントの分類
ある基準イベントから見て、他のイベントは次のように分類されます。
光円錐の内側、上部。因果的に影響を受けうる。
光円錐の内側、下部。因果的に影響を与えうる。
光円錐の外側。因果関係を持てない。どちらが先かは観測者による。
世界線と因果律
質量のある物体の世界線は、常に光円錐の内側にあります。光円錐の外に出る(光速を超える)ことは不可能です。
これにより因果律が保護されます。原因は常に結果より前に起き、この順序はすべての慣性系で一致します。











