時空の曲率と計量テンソル
一般相対性理論では、重力は時空の曲がりとして記述されます。その曲がり具合を数学的に表現するのが計量テンソルであり、曲がりの度合いを測るのが曲率テンソルです。
計量テンソルとは
計量テンソル は、時空上の2点間の「距離」を定義するものです。微小な時空間隔は、
と書けます。平坦な時空(ミンコフスキー時空)では となり、
ですが、重力があると計量テンソルは場所や時間によって変化します。
曲がった空間の例
2次元の曲面で考えてみましょう。
計量:
平行線は交わらない。三角形の内角の和は180度。
計量:
最初は平行だった線がいずれ交わる。三角形の内角の和は180度より大きい。
時空も同様に、計量テンソルによって曲がりうる4次元の多様体です。
クリストッフェル記号
曲がった空間では、座標軸の向きが場所によって変わります。この変化を表すのがクリストッフェル記号 です。
クリストッフェル記号は計量テンソルの1階微分から作られ、測地線の方程式や共変微分に現れます。
リーマン曲率テンソル
時空の曲がり具合を直接表すのがリーマン曲率テンソル です。
時空は平坦。重力は存在しない(または座標変換で消せる)。
時空は曲がっている。本質的な重力が存在する。
リッチテンソルとスカラー曲率
リーマンテンソルは成分が多すぎるため、縮約によって簡略化します。
| リッチテンソル | |
| スカラー曲率 | |
| アインシュタインテンソル |
アインシュタインテンソル は、アインシュタイン方程式の左辺に現れます。
物理的解釈
曲率テンソルは、潮汐力を表します。
自由落下する2つの粒子
時空が曲がっていると相対加速度が生じる
粒子間の距離が変化する(潮汐力)
曲率テンソルがこの効果を記述
ブラックホール近くでは曲率が極めて大きく、物体は強い潮汐力で引き伸ばされます(スパゲッティ化)。
計量テンソルと曲率テンソルは、一般相対性理論の数学的言語の核心です。これらを使って時空の幾何学を記述し、重力現象を理解します。











