質量とエネルギーの等価性
は世界で最も有名な物理学の公式です。質量とエネルギーが本質的に同じものであり、互いに変換可能であることを示しています。
公式の意味
静止している物体は、その質量 に対応するエネルギー を持っています。これを「静止エネルギー」と呼びます。
静止エネルギーの大きさ
1kgの物質が持つ静止エネルギーは J です。これはTNT火薬約2000万トン分に相当します。
変換効率
通常の化学反応では質量の変化は検出不能なほど小さいですが、核反応では質量の一部がエネルギーに変換されます。
運動する物体のエネルギー
速度 で運動する物体の全エネルギーは、
静止エネルギーと運動エネルギーの関係は、
つまり運動エネルギーは です。
低速での近似
のとき、 をテイラー展開すると、
したがって、
ニュートン力学の運動エネルギーが再現されます。
エネルギーと運動量の関係
相対論では、エネルギー と運動量 の間に次の関係があります。
静止している場合()
(静止エネルギー)
質量ゼロの場合()
(光子のエネルギー)
この関係式は、質量を持つ粒子にも、光子のような質量ゼロの粒子にも適用できる統一的な形式です。
核反応での質量変化
核分裂
ウラン235が分裂すると、生成物の質量の合計は元のウランより約0.1%小さくなります。この「質量欠損」がエネルギーとして放出されます。
核融合
水素がヘリウムに融合する際も質量欠損が生じます。太陽は毎秒約400万トンの質量をエネルギーに変換しています。
質量の概念
現代物理学では、「質量」といえば通常は静止質量(不変質量)を指します。
| 静止質量 | 物体固有の性質。座標系によらない。で表す。 |
| 相対論的質量 | 。現在はあまり使われない概念。 |
| 不変質量 | 静止質量と同じ。から計算できる。 |
「速度が増すと質量が増える」という言い方は、相対論的質量の概念に基づいていますが、現代では誤解を招きやすいとして避けられる傾向にあります。質量は不変であり、変化するのはエネルギーと運動量だと考えるのが主流です。












