4元ベクトルと時空間隔
4元ベクトルは、特殊相対性理論を数学的に扱うための基本ツールです。時間と空間を統一的に扱い、ローレンツ変換の下で一定の変換規則に従います。
ミンコフスキー時空
特殊相対性理論では、3次元空間と1次元の時間を合わせた4次元の「時空」を考えます。時空上の点(イベント)は4つの座標で指定されます。
を使うことで、すべての座標が長さの次元を持ちます。
時空間隔
2つのイベント間の「距離」を測るには、時空間隔を使います。
この量はローレンツ変換の下で不変です。どの慣性系で計算しても同じ値が得られます。
時間的間隔()
2つのイベントを因果関係で結べる。光より遅い信号で情報を伝達可能。
空間的間隔()
2つのイベント間に因果関係はない。ある慣性系では同時に起きている。
光的間隔()
2つのイベントを光が結ぶ。光円錐上にある。
計量テンソル
時空間隔は計量テンソル を使って次のように書けます。
ミンコフスキー計量は、
符号の規約は文献によって異なり、 を使う場合もあります。
4元速度
通常の速度は座標時間で微分したものですが、4元速度は固有時間 で微分します。
4元速度の大きさは常に です。
4元運動量
4元運動量は質量と4元速度の積です。
第0成分はエネルギー(を で割ったもの)、空間成分は通常の運動量です。
4元運動量の大きさは、
これを書き換えると、 というエネルギーと運動量の関係が得られます。
ローレンツ変換と4元ベクトル
4元ベクトルは、ローレンツ変換の下で次のように変換されます。
はローレンツ変換行列です。すべての4元ベクトルが同じ規則で変換されるため、物理法則をローレンツ不変な形で書くことができます。
3次元ベクトル
回転に対して不変な長さ を持つ
4元ベクトル
ローレンツ変換に対して不変な「長さ」 を持つ
4元ベクトルを使うことで、相対性理論の計算が体系的かつ簡潔になります。












