クーロンの法則と電荷の間にはたらく力

電荷を持つ物体の間には力がはたらきます。同じ種類の電荷は反発し合い、異なる種類の電荷は引き合います。この力を定量的に表したのがクーロンの法則です。

クーロンの法則

電荷 が距離 だけ離れているとき、両者の間にはたらく静電気力(クーロン力) は次の式で表されます。

はクーロン定数で、 N·m²/C² です。真空の誘電率 を使って とも書きます。

万有引力の法則

(常に引力)

クーロンの法則

(引力にも斥力にもなる)

万有引力と形がそっくりですが、決定的な違いがあります。万有引力は常に引力であるのに対し、クーロン力は電荷の符号によって引力にも斥力にもなります。また、クーロン力は万有引力に比べて桁違いに強い力です。水素原子内の陽子と電子の間のクーロン力は、万有引力の約 倍にもなります。

電荷の単位と性質

電荷の単位はクーロン(C)です。電子 1 個が持つ電荷は C で、これを電気素量と呼びます。すべての電荷はこの電気素量の整数倍になっており、電荷は離散的な量です。

正電荷陽子が持つ電荷(
負電荷電子が持つ電荷(
電気素量 C
クーロン定数 N·m²/C²

計算例

2 つの点電荷 C と C が 0.1 m 離れているとします。

符号が異なるので引力です。わずか数マイクロクーロンの電荷でも、近い距離では数ニュートンもの力が生じます。

重ね合わせの原理

3 つ以上の電荷がある場合、ある電荷にはたらく力は、他のすべての電荷からの力のベクトル和になります。これを重ね合わせの原理といいます。

2 つの電荷からの力

電荷 A にはたらく力は、B からの力と C からの力をベクトルとして足し合わせたものです。各ペアについてクーロンの法則を適用し、最後にベクトルの合成を行います。

対称性の利用

電荷の配置に対称性がある場合、一部の成分が打ち消し合って計算が簡単になることがあります。正三角形の頂点に同じ電荷を置いた場合などが典型例です。

クーロンの法則は電磁気学の出発点であり、電場や電位といった概念はすべてこの法則を基礎に組み立てられています。