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オームの法則と直列回路・並列回路の合成抵抗

同じ乾電池に豆電球を 2 個つなぎます。一列につなぐと、1 個のときより暗くなる。枝分かれさせてつなぐと、2 個とも同じ明るさのまま光ります。

つなぎ方を変えただけで結果が分かれるのは、そろう量が入れかわるからです。まず 1 個だけの場合から書きます。

抵抗 に電圧 をかけると、電流 が流れる。単位はオーム()で、 かけて 流れるのが です。

直列は電流がそろう

一列につなぐと、電流の通り道が 1 本になります。途中で分かれる場所がないため、どの抵抗にも同じ電流が流れる。

かわりに電圧が分かれます。それぞれの抵抗で が成り立ち、 が共通だから、電圧は抵抗の比に分かれる。

合成抵抗は、それぞれの電圧を足せば求まります。 だから、次の形になる。

並列は電圧がそろう

枝分かれさせると、どちらの抵抗も同じ 2 点をつなぎます。両端の電位が同じ 2 点だから、かかる電圧も同じになる。

かわりに電流が分かれます。 で が共通だから、電流は抵抗の逆比に分かれる。

合成抵抗は、それぞれの電流を足して求まります。 を と等しいと置く。

そろう量のほうから式を作る

直列も並列も、そろう量のほうから式が作れます。直列は が共通だから電圧を足す。並列は が共通だから電流を足す。

直列

電流がそろう。電圧を足すと

並列

電圧がそろう。電流を足すと

どちらの式も、共通する量で割った形になっています。何がそろうかを先に決めれば、残りは足し算です。

並列はいちばん小さい抵抗より小さくなる

と を並列にすると で、 より小さい。数字だけ見ると意外に思えます。

通り道が増えたからです。もとの の道はそのまま残っていて、そこへ の道が足された。全体として流れやすくなります。

例:直列につなぐ

と を直列にし、 をかけます。

それぞれの電圧は と 。足すと に戻ります。

例:並列につなぐ

同じ 2 つを並列にします。どちらにも がかかる。

合計 です。合成抵抗は で、式から求めた と合います。

例:混ざった回路

と の並列に、 を直列でつなぎ、 をかけます。内側の並列からまとめる。

にかかる電圧は 、並列の部分には残りの 。

その を使うと と で、足して 。全体の電流と合いました。

内側の並列をまとめて 1 つの抵抗にする

全体の合成抵抗から電流を求める

各部分にかかる電圧を戻して、分かれた電流を求める

例:銅線の抵抗

抵抗は材料と形で決まります。長さ 、断面積 、抵抗率 で書ける。

銅の抵抗率は です。長さ 、断面積 の銅線なら次の値。

配線に使うぶんには小さい値です。ただし長さを 2 倍にして断面積を半分にすると 4 倍になり、 まで上がります。

例:どちらが明るいか

冒頭の豆電球に戻ります。同じ豆電球を直列にすると、1 個あたりにかかる電圧が半分になる。

並列なら、どちらにも電池の電圧がそのままかかります。1 個だけつないだときと同じ明るさで光る。

そのかわり電池から出ていく電流は 2 倍になり、電池は早く消耗します。

受けとられ方は最初から良くはなかった

この関係を 年に発表したのがゲオルク・オームです。書名は Die galvanische Kette, mathematisch bearbeitet で、電気を数式で扱う書き方が当時のドイツでは珍しかった。

国立強磁場研究所の科学史資料によると、発表直後の評価は芳しくなく、まともな職を得られない時期が長く続いたとあります。英国王立協会からコプリ・メダルを受けたのは 年、ミュンヘンの教授になったのは 年でした。

いまは抵抗の単位に名前が残っています。

と を並列にしたときの合成抵抗はどれですか。

__RESULT__

なので です。いちばん小さい よりさらに小さくなります。 は直列の値、 は平均をとった値になります。

直列につないだ と について、正しいものはどれですか。

  • のほうに大きい電流が流れる
  • どちらにも同じ電流が流れ、 のほうに大きい電圧がかかる
  • どちらにも同じ電圧がかかる
__RESULT__

道が 1 本なので電流は共通です。 で が同じだから、電圧は抵抗に比例して分かれます。電圧が同じになるのは並列のほうです。

つなぎ方を見たら、まず何がそろうかを決めます。直列なら電流、並列なら電圧。そこが決まれば、残りは を並べて足すだけになります。

同じ電池に豆電球を 2 個。一列につなぐと暗くなり、枝分かれさせると 2 個とも同じ明るさで光ります。結果が分かれるのは、そろう量が入れかわるためです。直列は道が 1 本だから電流がそろい、電圧が抵抗の比に分かれる。並列は同じ 2 点をつなぐので電圧がそろい、電流が逆比に分かれます。ここから合成の式は自分で作れて、共通する量のほうで足すだけ。並列の合成はいちばん小さい抵抗よりさらに小さくなります。通り道が増えたぶん流れやすくなるため。混ざった回路は内側の並列からまとめ、電圧を戻して電流を分けると、全体の値と合うところまで確かめられます。銅線の抵抗を長さと断面積から求める計算、オームの発表が長く評価されなかった経緯まで。