コンデンサーの直列・並列接続と合成容量

コンデンサーを複数つなぐと、全体としての静電容量が変わる。この「合成容量」の求め方は回路問題の基本であり、直列と並列で計算方法がまったく異なる点を押さえておきたい。

並列接続の合成容量

並列接続では、各コンデンサーの両端にかかる電圧が等しくなる。容量 のコンデンサーを並列につないだ場合、それぞれが蓄える電荷は となり、全体の電荷は単純に足し合わせればよい。

したがって合成容量 は次のようになる。

並列接続のイメージ

極板の面積が増えたのと同じ効果。容量は単純に足し算で大きくなる。

抵抗の並列との違い

抵抗の並列は逆数の和だが、コンデンサーの並列は単純加算。混同しやすいので注意が必要。

個のコンデンサーを並列に接続した場合は、一般に次式で表される。

並列接続は「極板面積を合わせた」ことに相当するため、容量が増えるのは直感的にも理解しやすい。

直列接続の合成容量

直列接続では、各コンデンサーに蓄えられる電荷が等しくなる。これは回路中で電荷の移動が連鎖的に起こるためだ。容量 を直列につなぎ、全体に電圧 をかけると、各コンデンサーの電圧はそれぞれ となる。

よって合成容量は逆数の和で求まる。

直列接続で電荷が等しくなる理由は、導体でつながれた中間部分の電荷保存にある。

中間の導体は外部と電荷のやり取りがないため、一方の極板に が現れると、もう一方に が誘導される。

個の直列接続では次式になる。

特に 2 個の場合は「和分の積」の公式が便利だ。

直列接続は「極板間の距離が伸びた」ことに相当し、合成容量は個々の容量よりも小さくなる。

具体例で確認する

の 2 つのコンデンサーがある場合を考えてみよう。

接続方法合成容量の式結果
並列
直列

同じ部品でも接続方法によって合成容量に 4 倍以上の差が出る。回路設計ではこの違いを意識して組み合わせを選ぶことが重要になる。

直列と並列の混合回路

実際の問題では直列と並列が組み合わさった回路が出題されることが多い。解法の基本手順は次のとおりだ。

並列部分を見つけて合成する

直列部分を見つけて合成する

全体の合成容量を求める

混合回路を解くコツは、「まず並列を合成して単純化し、次に直列を処理する」という順序を守ることにある。複雑に見える回路でも、この手順を繰り返せば最終的に 1 つの等価コンデンサーに帰着できる。

抵抗との公式比較

コンデンサーと抵抗では、直列・並列の公式が逆になっている。これは物理的な意味を考えると納得がいく。

コンデンサー

並列で容量が増える(面積が増えるイメージ)。直列で容量が減る(距離が伸びるイメージ)。

抵抗

直列で抵抗が増える(長さが伸びるイメージ)。並列で抵抗が減る(断面積が増えるイメージ)。

素子直列並列
コンデンサー逆数の和単純加算
抵抗単純加算逆数の和

この対応関係を意識しておけば、公式を取り違えるミスを防げる。コンデンサーの合成容量は回路問題の土台となる知識であり、エネルギーや過渡現象の理解にもつながる重要な単元だ。