ボイルの法則とシャルルの法則(気体の状態方程式 pV=nRT の組み立て)
注射器の口を指でふさいで押しこむと、中の空気が縮んで押し返してきます。体積を半分にすると圧力は 2 倍、 にすると 3 倍になる。
温度と気体の量が変わらないかぎり、圧力 と体積 の積はいつも同じ値です。
これをボイルの法則といいます。 は気体の量と温度で決まる定数で、気体の種類にはよらない。

と をそのまま軸にとると双曲線になり、目で読みとりにくい。横軸を にとりかえると、原点を通る直線になります。
実験の結果が反比例かどうかを確かめるときは、右のとり方をする。
シャルルの法則
風船を冷やすとしぼみ、湯につけるとふくらむ。圧力を変えずに温度を上げると、体積は増えます。
このとき体積が比例する相手は、セルシウス温度ではありません。 での体積を とすると、 での体積は次の形になる。
グラフは直線。左へ伸ばすと、はじめの体積によらず で 点に集まります。

この 点を原点にとりなおした温度が絶対温度で、単位は K(ケルビン)。 です。
絶対温度に直すと、体積は温度そのものに比例する形になる。
これがシャルルの法則です。この関係を 1802 年に発表したのはゲーリュサックで、その論文には、15 年前に同じ性質に気づきながら発表しなかったシャルルへの言及があります[1]。
2 つを 1 つにまとめる
シャルルの法則は圧力を止めて温度を動かしたとき、ボイルの法則は温度を止めて圧力を動かしたときの形です。両方を同時に動かしても、量の決まった気体なら は変わらない。
、 で 3.0 L の気体を、、 にしたときの体積を求めます。絶対温度は 300 K と 400 K。
圧力が 2 倍になって体積は半分、温度が 倍になって体積も 倍。かけ合わせて 2.0 L になります。
気体定数と状態方程式
の値は気体の量に比例します。物質量 を分けて書くと、残った定数は気体の種類にも量にもよらない 1 つの値になる。
を気体定数といいます。1 mol の気体が 、 で 22.4 L を占めることから計算できる。
体積を で計算したため、単位は 、つまり になります。2019 年に SI の定義が変わり、いまの は測る量ではなく という決められた値です[2]。
問題文の体積が L のときは、 倍した値をそのまま使う。
| 圧力は Pa、体積は | |
| 圧力は Pa、体積は L |
例:分子量を求める
質量 とモル質量 から と書けるため、状態方程式は分子量を求める式にもなります。
、 で 2.49 L を占める気体 4.4 g を考えます。まず物質量を計算する。
0.100 mol で 4.4 g だから、1 mol では 44 g。分子量 44 の気体で、二酸化炭素があてはまります。
圧力を変えずに、 の気体 6.0 L を にすると体積はどうなりますか。
- 12 倍の 72 L になる
- 2 倍の 12 L になる
- 12 L より小さい
22.4 L と 22.7 L
22.4 L/mol は 、 での値です。この圧力は 1 気圧のことで、1982 年より前の標準圧力にあたる。
IUPAC はそれ以降、標準圧力を (1 bar)にとっています。同じ でもモル体積は 22.711 L/mol になり、1.3% ほど違う[3]。
日本の高校の問題文は 1 気圧のほうを使うため、答えは 22.4 L/mol。大学の教科書や海外の資料で 22.7 という数字を見かけたら、圧力の指定を確かめます。
参考
、、、 のうち 3 つが決まれば残りの 1 つも決まる。ボイルの法則もシャルルの法則も、そのうちの 1 つを止めて残りを見たときの形です。













絶対温度に直すと 300 K と 600 K で、ちょうど 2 倍です。セルシウス温度の 27 と 327 をそのまま比べると 12 倍に見えますが、温度の計算は 273 を足してからにします。