単位格子の計算でアボガドロ定数にたどり着く|高校化学の金属結晶
銅の結晶は、一辺 の立方体をすきまなく積み上げた形をしています[1]。このくり返しの最小単位が単位格子です。
立方体の頂点や面に原子が置かれるため、1 つの格子が丸ごと 1 個の原子をもつわけではありません。となりの格子と分け合う。

1 つの格子に何個入るか
頂点の原子は 8 つの格子で分け合うため 個分、面の中心にある原子は 2 つで分け合うため 個分と数えます。中にある原子はまるごと 1 個。
体心立方格子は 個、面心立方格子は 個です。
1 つの原子に接している原子の数を配位数といいます。
| 構造 | 単位格子の原子数 | 配位数 |
|---|---|---|
| 体心立方格子 | 2 | 8 |
| 面心立方格子 | 4 | 12 |
| 六方最密構造 | 2 | 12 |
どこで原子が接しているか
原子を球とみて、その半径を格子の一辺 で表します。接している向きを見つけるところが要点。
体心立方格子では、中心の原子が頂点の原子と接します。立方体の対角線 の上に、半径 4 個分が並ぶ。
面心立方格子では、面の対角線 の上に半径 4 個分が並びます。

銅は面心立方格子なので、 から半径を計算できます。
単位は cm で、128 pm。実測されている銅の原子半径と合います。
充填率
単位格子の体積のうち、原子の球が占める割合を充填率といいます。原子 1 個の体積 に個数をかけ、 で割る。
面心立方格子では で原子が 4 個です。
体心立方格子では で原子が 2 個になり、。六方最密構造は面心立方格子と同じ 0.74 です。
球をいちばん詰めこんだ状態が 74% で、残りの 26% はすきまとして残る。
密度からアボガドロ定数へ
単位格子 1 つの質量は、原子 個分の質量です。原子量 の原子 1 個の質量が だから、密度は次の形になります。
銅は 、、、密度 です[2]。 について解きます。
結晶の一辺と密度と原子量だけから、アボガドロ定数が求まりました。
鉄で確かめると、体心立方格子で 、[1]。 を入れると密度は になり、測定値と合います。
面心立方格子をとる金属で、格子の一辺が のとき原子半径はどれですか。
参考
単位格子で使う道具は、原子の数え方と、どの対角線で原子が接するかの 2 つだけです。あとは立方体の体積と球の体積を並べれば、半径も充填率も密度も同じ流れで計算できる。













面心立方格子では、面の対角線の上で原子が接します。対角線の長さ 2a に半径 4 個分が並ぶため 4r=2a。43a は体心立方格子のほうで、立方体の対角線を使った形です。