ドルトンの分圧の法則とモル分率:空気の平均分子量を計算する
窒素を詰めた容器に、あとから酸素を詰めます。圧力計は 2 つの合計まで上がる。気体どうしは場所を奪い合いません。
混合気体のうち、ある成分だけが同じ容器を単独で占めたとしたら示すはずの圧力を、その成分の分圧といいます。全圧は分圧の合計。
これをドルトンの分圧の法則といいます。

分圧はモル分率で決まる
成分ごとに状態方程式をあてます。容器の体積 と温度 は共通。
辺どうしを足すと、左辺の が全圧 になる。
2 つの式を割り算すると、圧力の比が物質量の比に等しいと分かります。
この右辺をモル分率といい、 と書く。分圧は全圧にモル分率をかけた値です。
窒素 0.60 mol と酸素 0.40 mol を 3.0 L の容器に入れ、 に保ちます。全圧は合計の物質量から計算する。
窒素のモル分率は 0.60 だから、窒素の分圧は 。酸素は です。
粒の数を変えなければ全圧は動きません。分圧のほうは、割合を変えたぶんだけ入れかわる。
同じ温度と圧力で測った体積は物質量に比例します。だから混ぜる前の体積の比は、そのままモル比であり分圧の比です。
平均分子量
混合気体 1 mol の質量を平均分子量といいます。成分の分子量にモル分率をかけて足すだけ。
空気を窒素と酸素が の混合気体とみなすと、次の値になります。
実際の乾燥空気は窒素 78.08%、酸素 20.94%、アルゴン 0.93%、二酸化炭素 0.04% で、平均分子量は 28.97[1]。高校の計算では、アルゴンを省いた 28.8 を使います。
平均分子量が決まると、その気体が空気に浮くか沈むかも決まる。
| 気体 | 分子量 | 空気(28.8)と比べて |
|---|---|---|
| 二酸化炭素 | 44 | 重い |
| 酸素 | 32 | やや重い |
| 窒素 | 28 | ほぼ同じ |
| アンモニア | 17 | 軽い |
| 水素 | 2 | とても軽い |
水上置換で集めた気体
水の上に集めた気体には、必ず水蒸気が混じります。捕集びんの中は、集めた気体と水蒸気の混合気体。

外の水面と中の水面を同じ高さにそろえると、びんの中の全圧が大気圧に等しくなります。集めた気体の分圧は、大気圧から水の飽和蒸気圧を引いた残り。
、大気圧 で水素を集めたとします。この温度の水の飽和蒸気圧を とすると、水素の分圧は次の値になる。
引かずに大気圧のまま計算すると、水素の物質量を 3.6% ほど多く見積もることになります。夏の実験室ほど水蒸気の分圧が大きく、ずれも大きくなる。
窒素 3.0 mol とヘリウム 1.0 mol の混合気体があり、全圧は です。ヘリウムの分圧はどれですか。
参考
容器の中では、どの成分も相手に関わりなく自分のぶんだけ圧力を受け持ちます。混合気体の計算は、モル数の比を書き出すところから始まる。













ヘリウムのモル分率は 3.0+1.01.0=0.25 です。分圧は 4.0×105×0.25=1.0×105 Pa になります。分子量の小さいヘリウムのほうが分圧が大きくなる、とはなりません。圧力を決めるのは粒の数だけです。