つの天体が同じ向きに回っています。内側のほうが速いので、ときどき追い抜きます。並ぶ瞬間を会合といいます。
周期の比が整数どうしのとき、会合はいつも軌道の同じ場所で起きます。内側が 周するあいだに外側が 周するなら、 つが並ぶ向きは毎回まったく同じです。
比が整数でなければ、並ぶ場所は毎回少しずつずれていき、やがて軌道じゅうに散らばります。
この違いが、そのまま長い時間の違いになります。
会合のとき、 つは最も近づいているので、引き合う力もいちばん強くなります。そこで軌道がわずかに押されます。
会合の場所が散らばっていれば、押される向きも散らばります。足したり引いたりして、長い目で見れば打ち消し合います。
ところが会合がいつも同じ場所なら、押される向きも毎回同じです。 回ぶんは小さくても、同じ向きにそろって積み上がります。
これが共鳴です。ほんのわずかな力が、周期の比だけを頼りに、軌道を大きく変えていきます。
火星と木星のあいだには、小惑星帯があります。そこにある小惑星を、半長軸ごとに数え上げてみます。
すると、ところどころにすっぽりと穴が空いています。穴の位置は、木星との周期の比が 対 、 対 、 対 、 対 になるところです。
そこにいた小惑星は、木星に同じ向きに押されつづけて軌道が伸び、長い時間のうちに火星や木星に近づいて弾き出されました。掃き出されたあとが、この穴です。
年にカークウッドが気づきました。空隙は空間に空いた穴ではありません。半長軸で数えたときにだけ現れるもので、その場所を実際に見ても何もありません。
共鳴は掃き出すだけではありません。閉じ込めもします。
冥王星は海王星と 対 の共鳴にいます。冥王星の軌道は海王星の内側まで入りこんでいるのに、ぶつかりません。共鳴が、 つが近づくところで決して出会わないように位置をそろえているからです。
木星のイオ、エウロパ、ガニメデは、周期が 対 対 で噛み合っています。ラプラス共鳴といい、 つがそろって噛み合っているのはここだけです。この噛み合いが軌道をわずかにゆがめ、その分の摩擦がイオの火山を噴かせています。
掃き出すか、閉じ込めるか。同じ共鳴でも、天体の並び方によって働きが逆になります。
共鳴は、公転どうしのあいだだけのものではありません。自転と公転のあいだにも起こります。
月は 周するあいだにちょうど 回まわります。だから地球へいつも同じ面を向けています。 対 の共鳴で、潮汐がそこまで削って止めました。
水星は違います。 周するあいだに 回まわる、 対 の共鳴です。軌道がつぶれているので、近日点でだけ強く削られ、 対 の手前で止まりました。
次の記事では、その潮汐そのものを見ます。月をここまで削り、いまも地球の自転を遅くしつづけている力です。