脂肪酸はカルボン酸であり、末端に COOH がある。炭素間二重結合のない脂肪酸を飽和脂肪酸、二重結合のある脂肪酸を不飽和脂肪酸という。
飽和脂肪酸はトランス型の直線形だが、不飽和脂肪酸はシス型であり、二重結合の部分でくの字のように折れる。この構造の違いは脂質の性質の違いとなって出てくる。
飽和脂肪酸の略記
脂肪酸は多くの炭素が鎖のようにつながっている。炭素数や二重結合の有無などの違いはあるものの、鎖の構造は変わらない。生理学などではこの鎖構造を 16:0 などと表す。
16:0 の 16 は炭素の数、0 は二重結合の数であり、全体としてパルミチン酸を表す。パルミチン酸は
CH3(CH2)14COOH
であり、脂肪酸の鎖のメインである(CH2)nは14個ある。
不飽和脂肪酸の略記
オレイン酸は 18:1(9) と表す。18 はオレイン酸全体の炭素数、1 は二重結合の数、9 は二重結合の位置を示す。9 は、末端のカルボキシル基を 1 として 9 番目という意味。
飽和脂肪酸の例
略記 | 飽和脂肪酸 |
---|---|
12:0 | ラウリン酸 |
14:0 | ミリスチン酸 |
16:0 | パルミチン酸 |
18:0 | ステアリン酸 |
不飽和脂肪酸の例
略記 | 不飽和脂肪酸 |
---|---|
18:1(9) | オレイン酸 |
18:2(9,12) | リノール酸 |
18:3(9,12,15) | リノレン酸 |
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸は等差数列のように順番に二重結合がつく。