ニュートンの運動方程式 F=ma の意味と使い方
物理学でもっとも有名な方程式のひとつが です。ニュートンの運動の第二法則を数式にしたもので、「力 = 質量 × 加速度」という関係を表しています。
運動方程式の意味
を日本語で読み下すと、「物体にはたらく力 は、その物体の質量 と加速度 の積に等しい」となります。もう少し噛み砕くと、同じ力を加えても軽い物体は大きく加速し、重い物体は小さくしか加速しないということです。
| 力(単位: N ニュートン) | |
| 質量(単位: kg キログラム) | |
| 加速度(単位: m/s² メートル毎秒毎秒) |
力の単位ニュートン(N)は、この方程式から定義されています。1 N とは、1 kg の物体に 1 m/s² の加速度を生じさせる力のことです。
具体的な計算例
質量 2 kg のボールに 10 N の力を加えたときの加速度を求めてみましょう。
このボールは毎秒 5 m/s ずつ速度が増していきます。1 秒後には 5 m/s、2 秒後には 10 m/s という具合です。
逆に、質量 1000 kg の車を 2 m/s² で加速させるために必要な力は次のように求まります。
2000 N、すなわち約 200 kgf の力が必要になるわけです。
運動方程式は「ベクトルの式」
注意すべき点として、 はベクトルの方程式です。力にも加速度にも向きがあり、加速度は力と同じ向きに生じます。
物体は水平方向に加速する
物体は斜め上方に加速する
複数の力がはたらいている場合は、すべての力のベクトル和(合力)を求めてから運動方程式に代入します。合力がゼロならば加速度もゼロ、つまり等速直線運動か静止の状態が続きます。これは第一法則(慣性の法則)と一致しています。
運動方程式を使いこなすコツ
実際の問題を解くときは、次の手順で考えるとスムーズです。
物体にはたらく力をすべて書き出す
座標軸を決めて力を成分に分解する
各軸方向について を立てる
連立方程式を解いて未知数を求める
この手順はどんな力学の問題にも応用できます。自由落下でも斜面上の運動でも、摩擦がある場合でも、基本はいつも同じです。 を正確に立てられるかどうかが、力学の問題を解けるかどうかの分かれ目と言っても過言ではありません。