教育149532 views
Computer368287 views
いろは3012368 views
世界の国564767 views
高校国語788489 views
高校日本史190609 views
雑学1473670 views
高校生物551883 views
高校倫理1440566 views
ヒストリア291014 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

垂直抗力と束縛条件は解いてはじめて値が決まる

重力は問題を読んだ時点で と書けます。ばねの力も と書ける。ところが垂直抗力だけは、式を解き終わるまで値が決まりません。

は法則ではなく、解いた結果です。同じ物体を同じ斜面に置いても、斜面ごと加速させれば は変わります。

決まらないほうの力を拘束力と呼び、その値を決めているのが束縛条件です。

束縛条件は動ける範囲を狭める

斜面に置いた物体は斜面から離れません。糸でつないだおもりは糸の長さより遠くへ行けない。こうした制限を束縛条件といいます[3]

座標のあいだの関係式として書けます。半径 の球面に閉じこめられた質点なら、次の式がいつでも成り立つ。

つの座標のうち独立なものは つに減ります。条件が 本増えるごとに、自由度が ずつ落ちる[3]

状況束縛条件の本数自由度
自由な質点
斜面や球面の上
レールやビーズ

自由度は、位置を言い当てるのに要る変数の個数です。レールの上のビーズなら、レールに沿った長さ つで場所が決まります。

拘束力は必要なだけ出る

束縛条件を実現するために現れる力が拘束力です。斜面なら垂直抗力、糸なら張力がこれにあたります。

重力やばねの力は、大きさが最初から決まっています。拘束力にはそういう決まりがなく、条件が破れないところまで大きくなる。

あらかじめ決まる力

重力 、ばねの力 、クーロン力。法則から値が出るので、方程式の入力として与えられる

拘束力

垂直抗力、張力。条件を保つのに必要な値まで自動的に増減する。方程式の答えとして出てくる

置いた物体が重ければ、床はそのぶん強く押し返します。乗せすぎて床が抜けるまで、押し返す力は要求どおりに出る。この受け身の性質が拘束力の特徴です。

例:なめらかな斜面の 2 つの意味

問題文の「なめらかな斜面」は、 つのことを同時に言っています。

つは摩擦がないこと。拘束力は斜面に垂直な方向だけになり、斜面に沿った成分を持ちません。

もう つは物体が斜面から離れないこと。斜面に垂直な方向の加速度が という条件で、ここから の値が出ます。

この値は、斜面が止まっているという前提の上に立っています。台ごと水平に加速させると答えが変わる。

例:斜面ごと加速させる

傾き の台を水平に加速度 で動かします。物体が台の上で動かずにいるとき、物体を横向きに加速させているのは の水平成分だけです[5]

式を割り算すると 。このときの垂直抗力は次の値になります。

なら です。台を止めていたときの と比べて 倍。

同じ物体、同じ斜面、同じ重力。それでも が違う。垂直抗力が物体の性質でも斜面の性質でもないことが、この 例の差に出ています。

例:アトウッドの機械

滑車に糸をかけ、両端に をつるします。糸が伸びないという束縛条件は、次の関係になる。

片方が下がった距離だけ、もう片方が上がる。これを時間で 回微分したものです。未知数が つ減ります。

本の運動方程式と合わせて解くと、加速度と張力が同時に出ます。

より大きく、 より小さい値に落ち着きました。どちらの重さとも一致しません。

張力を「重いほうの重さ」と決め打ちできないのは、これが拘束力だからです。連立を解いた結果としてしか出てこない。

「軽い糸」は糸の質量を無視する近似、「伸びない糸」は長さが一定という束縛条件です。前者は近似、後者は条件で、役割が違います。

糸に質量があると、上と下で張力が変わる。伸びる糸なら加速度の関係式が使えなくなる。

拘束力は仕事をしない

斜面の垂直抗力は斜面に垂直、物体の変位は斜面に沿っています。力と変位が直角なので、仕事は です[3]

糸の張力も同じで、糸に沿った長さが変わらないかぎり仕事をしません。滑車の両側で、片方がされる仕事ともう片方がする仕事がちょうど打ち消し合う。

だから拘束のある系でも力学的エネルギーが保存します。摩擦のないなめらかな斜面でエネルギー保存が使えるのは、この性質のおかげです。

ダランベールの原理は、この「拘束力は仕事をしない」を出発点に置いた定式化です[3]

例:球面のてっぺんから滑り出す

半径 のなめらかな球面の頂上から、質点が静かに滑り出します。鉛直から角 まで下りたときの速さは、エネルギー保存から出ます。

球面に沿って動いているあいだ、中心向きの合力が円運動を支えます。

を代入して について解くと が大きくなるほど は小さくなります。

ここで 。これより先は球面が押し返す力を出せないので、質点は面を離れて放物運動に移ります。

拘束力が になる点が束縛の限界です。垂直抗力は押すことしかできず、引き戻すことはできない。片側だけの束縛だからです。

面に沿って動くあいだは

下るにつれて が小さくなる

に達したところで面を離れる

積分できない束縛もある

束縛条件が座標だけの式で書けるとき、その条件を使って変数を つ消せます。こういう条件をホロノミックと呼びます[1]

速度の関係でしか書けず、積分して座標の式に直せない条件もあります。まっすぐ転がる車輪なら を積分して になるので、こちらはホロノミック[4]

平面の上を自由に転がる球は違います。同じ場所へ戻ってきても、通った道すじによって向きが変わる[1]

ずつ 方向、 方向の順に転がした場合と、 の順に転がした場合を比べます。位置は同じでも、北極の向きが一致しません。

位置と向きのあいだに の関係がないので、条件を積分して座標の式にできない。自由度の数え方も、位置だけの場合とは変わってきます[2]

ホロノミックな束縛

座標だけの式で書ける。振り子の糸の長さ、球面上の運動、直線上を転がる車輪

ホロノミックでない束縛

速度の関係でしか書けない。平面上を自由に転がる球、その場で向きを変えられない車

縦列駐車ができるのに、車が真横へ動けないのは同じ話です。行ける場所は減っていないのに、行き方が制限されている。

発展:拘束力を式から消す

束縛条件を満たす変数を最初から選べば、拘束力を書かずに済みます。斜面上の物体なら、斜面に沿った長さ つとる。

この で運動方程式を立てると、垂直抗力は式に現れません。仕事をしない力なので、エネルギーで組み立てた式には出てこないためです[3]

こうしてとった変数を一般化座標といい、ラグランジュの方法の出発点になります。拘束力の値が要るときだけ、あとから別に計算する。

問題を解く順序が逆になります。まず動きを出し、必要なら拘束力をあとで求める。垂直抗力や張力が最後に決まるのは、そういう順序で世界が組まれているためです。

なめらかな斜面に置いた物体の垂直抗力について、正しいものはどれですか。

  • 物体の重さだけで決まるので になる
  • 斜面が加速していると から変わる
  • 斜面の材質で決まる
__RESULT__

垂直抗力は「斜面から離れない」という束縛条件を満たすために出る力です。斜面を水平に加速させると必要な値が変わり、物体が斜面上で静止する場合は になります。

参考文献

Michael Fowler. *30.2: Holonomic Constraints and non-Holonomic Constraints*/30:_A_Rolling_Sphere_on_a_Rotating_Plane/30.02:_Holonomic_Constraints_and_non-Holonomic_Constraints). Graduate Classical Mechanics, University of Virginia / Physics LibreTexts.
Mattias Flygare. *Nonholonomic Constraints*. Analytisk mekanik, Karlstads universitet.
Zwangsbedingungen und ihre Folgen. Serlo, Theoretische Mechanik.
11.2: Rolling Motion/Book:_University_Physics_I_-_Mechanics_Sound_Oscillations_and_Waves_(OpenStax)/11:__Angular_Momentum/11.02:_Rolling_Motion). University Physics I, OpenStax / Physics LibreTexts.
Référentiels non galiléens. Femto-Physique, cours de mécanique classique.
重力は問題を読んだ時点で mg と書けます。垂直抗力は書けない。斜面を水平に加速させると、同じ物体でも $N$ は $mg\cos\theta$ から $mg/\cos\theta$ へ変わります。値を決めているのは物体でも斜面でもなく、離れないという束縛条件のほう。だから拘束力は連立を解いた答えとしてしか出てきません。球面のてっぺんから滑る質点が 48 度で面を離れるわけ、平面を転がる球の条件が積分できないわけまで。