楕円の定義は焦点からの距離の和が一定であること
つの点をとり、その両方からの距離の和が一定になる点を集めると楕円になります。この 点を焦点といいます。
方程式が先にあるのではなく、この距離の条件が楕円の定義です。方程式のほうは、条件を座標で書き下した結果として出てきます。
点 が動くと 本の線分の長さは変わりますが、下のバーの合計はいつも同じ幅です。片方が伸びればもう片方が縮む。この釣り合いが楕円をつくります。
糸を張って描く
本のピンに糸の両端を留め、鉛筆で糸をぴんと張ったまま動かすと楕円が描けます。糸の長さが にあたり、動かしても変わりません。
ピンを近づけると円に近づき、重ねると完全な円になります。焦点が 点に重なった状態が円、というわけです。
定義から方程式を導く
焦点を , とし、距離の和を とします。点 について条件を書きます。
片方を移項して 乗します。
展開して整理すると 、つまり になります。
もう一度 乗して整理する。
ここで と置き、両辺を で割れば標準形が出ます。
は新しく持ち込んだ文字ではなく、 と から決まる量。この関係が 者を結びます。
a、b、c の関係
直角三角形の 辺のように見えますが、実際に図の中に現れます。短軸の端 から焦点までの距離を測ると、ちょうど になる。
と の距離は です。 つの焦点への距離が対称なので、和は 。定義を満たしています。
短軸 を伸ばすと、焦点までの距離 が縮みます。斜辺 は変わらない。 が に届いたとき が になり、焦点が中心に集まって円になります。
縦長のとき
なら縦長の楕円で、焦点は 軸上に来ます。長いほうの軸に焦点が乗る、と覚えます。
距離の和は長軸の長さなので です。横長のときの と、役割が入れ替わります。
例で焦点を出す
の焦点を求めます。, で なので横長。
で、焦点は と 。距離の和は です。
なら , で縦長。 から 、焦点は 、距離の和は になります。
条件から式を作る
焦点が 、距離の和が の楕円を求めます。
から 。 なので 。
焦点が 、長軸の長さが なら縦長です。 で 、 から 。式は になります。
点を通る条件から作る
焦点が で点 を通る楕円を求めます。
定義をそのまま使うのが速い。 つの焦点から までの距離を測ります。
中身を展開すると と 。それぞれ で、二重根号を外すと と になります。
和は なので 、。求める式は です。
代入して確かめます。 で合っています。
定義に戻ると速い問題
焦点までの距離が絡む問題は、標準形からではなく定義から入ると短く済みます。
たとえば 上の点 について、 のときの を求める問題。距離の和が と分かっているので、引くだけで です。
座標を求める必要はありません。定義が「和が一定」と言っている以上、片方が決まればもう片方も決まります。













