確率変数とは、確率が一意に定まっている事象のこと。確率変数の実際の数値はその事象に対応する数値となる。
さいころを例にとると、さいころの目が確率変数 となり、
〜
が確率変数
のとりうる値になる。
さいころの目が出る確率はすべて であり、それぞれの目に対応する確率は一つに定まる。
確率分布とその合計値
確率分布とは、確率変数 のとりうる値
に対して確率
が定まっていること。
をまとめて
と書くことが多い。さいころの確率分布は
となる。すべての事象の確率を足すと になる。
確率分布の確率の合計値は必ず になる。
枚のコインを投げたときの表の出る枚数の確率分布
コインの表と裏が出る確率はそれぞれ とすると、
枚のコインを投げたときの表が出る確率は次のようになる。
表の枚数が 枚
表の枚数が 枚
表の枚数が 枚
確率分布は次のとおり。
表も裏も確率が同じなので、表が 0 枚のときと 2 枚のときの確率は等しくなる。このように考えると、表の枚数が 1 枚のときの確率は、1 から「表が 0 枚のときと 2 枚のときの確率の和」を引いた確率となる。以下「表が 1 枚」といった言葉は「表1」などと省略する。
「枚数が少ないときの確率」から「枚数が中途半端なときの確率」を求める引き算的な考えはとても大切である。
枚のコインを投げたときの表の出る枚数の確率分布
表の枚数が 枚
表の枚数が 枚
表の枚数が 枚
表の枚数が 枚
確率分布は次のとおり。
コインが 枚のときの確率分布で引き算のやり方が出てきた。この考えはコインが
枚以上のときにより重要になってくる。「表1」と「表2」の確率は、
枚のときと
枚のときの確率がわかっていれば求められることを次にしめす。
まず表が 枚のとき、裏は
枚である。表と裏の確率は同じだから、「表1裏2」は「表2裏1」に等しい。そして「表0裏3」と「表3裏1」はそれぞれ
である。以上から
となる。コインの確率問題では、表と裏の確率が同じであるとき、確率分布が左右対称のような感じになる。
個のさいころを投げたときの最大値の確率分布
個のさいころを
と
に分けて、
個のさいころの出方に対する最大値(Max)を考えてみよう。
それぞれのパターンの確率は だから、確率分布は下のようになる。