LaTeXコマンド ベクトルの記号
TeX(LaTeX)でベクトルを出力するにはvecというコマンドを使う。
LaTeX入力
\[ \vec{a}=(1,2) \\ \vec a=(1,2) \\ \veca=(1,2) \]
LaTeX出力
vecコマンドは中括弧があってもなくても構わない。ただし中括弧を書かないときはvecと文字の間に空白を入れないといけない。
多次元のベクトル
LaTeX入力
\[ \vec{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n) \\ \vec{a}=(a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n) \]
LaTeX出力
\[ \vec{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n) \\ \vec{a}=(a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n) \]
多次元のベクトルを書くときはcdotsコマンドを使って三点リーダーを入れる。
一番目の例と二番目の例の違いは半角空白が入っていないか入っているか。LaTeXは文字をぎゅうぎゅうにつめるところがあるので、ベクトルや積分を書くときは文字ないし記号の間に隙間を入れる。半角空白は円マークの後に半角空白を入れる。
overrightarrowコマンド
LaTeX入力
\[ \vec{AB}=(1,2,3) \\ \overrightarrow{AB}=(1,2,3) \]
LaTeX出力
\[ \vec{AB}=(1,2,3) \\ \overrightarrow{AB}=(1,2,3) \]
$\overrightarrow{AB}$ など点と点を結ぶベクトルを表現するときは、普通のvecではなくoverrightarrowというコマンドを使う。上の例のようにvecだと矢印が文字にきちんとかぶらない。
矢印のない太字のベクトル
LaTeX入力
\[ \mathbf{a}=(3,4) \\ \mathbf{OA}=(3,4) \\ \mathbf{A}=(3,4) \]
LaTeX出力
\[ \mathbf{a}=(3,4) \\ \mathbf{OA}=(3,4) \\ \mathbf{A}=(3,4) \]
vecの代わりにmathbfというコマンドを使うと、矢印の代わりに文字が太字になる。LaTeXではusepackageを使ってbmというコマンドを呼び出すこともできるが、mathbfとほぼ同じである。
ベクトルの絶対値
LaTeX入力
\[ \vec{a}=(1,2,3) \\ |\vec{a}| \\ \|\vec{a}\| \\ \overrightarrow{AB}=(1,2,3) \\ |\overrightarrow{AB}| \\ \|\overrightarrow{AB}\| \\ \left|\overrightarrow{AB}\right| \\ \left\|\overrightarrow{AB}\right\| \]
LaTeX出力
\[ \vec{a}=(1,2,3) \\ |\vec{a}| \\ \|\vec{a}\| \\ \overrightarrow{AB}=(1,2,3) \\ |\overrightarrow{AB}| \\ \|\overrightarrow{AB}\| \\ \left|\overrightarrow{AB}\right| \\ \left\|\overrightarrow{AB}\right\| \]
絶対値は文字通り|を使う。ただし二重棒を使うときは|を二つ重ねるのでなく、円マークの後に|を書く。
注意点は overrightarrow{AB} というベクトルの絶対値。普通の絶対値記号では矢印が棒より突き出てしまう。かといってleftとrightというカッコの高さを自動的に変えるコマンドを使うと、今度は|が伸びすぎてしまう。なんとも言えない…。
ベクトルの並行と垂直
LaTeX入力
\[ \vec{a} \parallel \vec{b} \\ \vec{a} \perp \vec{b} \]
LaTeX出力
\[ \vec{a} \parallel \vec{b} \\ \vec{a} \perp \vec{b} \]
ベクトルの並行はparallel、垂直はperpというコマンドを使う。
ベクトルの内積と外積
内積は普通のドット、外積は普通のかけ算記号を使う。
LaTeX入力
\[ \vec{a} \cdot \vec{b} \\ \vec{a} \times \vec{b} \]
LaTeX出力
\[ \vec{a} \cdot \vec{b} \\ \vec{a} \times \vec{b} \]
ベクトルの転置
転置ベクトルとはもとのベクトルの行と列を交換したベクトルのこと。
LaTeX入力
\[ {}^t\!\vec{a} \\ {}^t\!\overrightarrow{AB} \\ {}^t\!\mathbf{a} \\ \vec{a}^{\mathrm{T}} \\ \overrightarrow{AB}^{\mathrm{T}} \\ \mathbf{AB}^{\mathrm{T}} \]
LaTeX出力
\[ {}^t\!\vec{a} \\ {}^t\!\overrightarrow{AB} \\ {}^t\!\mathbf{a} \\ \vec{a}^{\mathrm{T}} \\ \overrightarrow{AB}^{\mathrm{T}} \\ \mathbf{AB}^{\mathrm{T}} \]
単位ベクトル
単位ベクトルはベクトルの上にハット(Â)という記号をつける。ハット記号をつけるときは矢印のない太字のベクトルを使う。
LaTeX入力
\[ \mathbf{\hat{x}} \]
LaTeX出力
\[ \mathbf{\hat{x}} \]
ベクトルの行列表示
高校数学ではベクトルは座標のように書くが、大学数学ではベクトルは行列のように縦向きに書く。
LaTeX入力
\[ \mathbf{A}=\left( \begin{array}{c} a_1 \\ a_2 \\ \vdots \\ a_n \end{array} \right) \]
LaTeX出力
\[ \mathbf{A}=\left( \begin{array}{c} a_1 \\ a_2 \\ \vdots \\ a_n \end{array} \right) \]
vdotsは縦向きの三点リーダー。arrayの中は必ず改行する。またleftとrightのコマンドを使ってカッコを自動的に伸ばす。