超光速の信号と因果律〜返事が送る前に届いてしまう

光で結べない 2 つの出来事の順序

図の つの出来事 A と B は、位置の差 に対して時刻の差が しかなく、光でも間に合わない。同時刻線の傾きが を越えると、A と B の順序がいれかわります。

A と B のあいだでは、どちらからも何も届かない。どちらを先としても、起きることは何も変わりません。

光の 3 倍の速さの信号を送る

光の 倍の速さで伝わる信号があるとして、原点から の地点へ送る。地面の立場では で着き、送ってから着くまでの時間は正です。

同じ信号を、速さ で動く立場で読む。 で、着いた時刻は となり、送った時刻 より前になります。

信号の速さ と立場の速さ が を満たすと、着くほうが先になる。光より遅い信号では が に届かないため、このいれかわりは起きません。

返事が送る前に届く

受けとった地点から、 で動く立場で見て光の 倍の速さで、原点に止まっている送り手へ返事を送る。この返事も、その立場では送ってから着くまでの時間が正です。

地面の立場に直すと、返事は の時刻に送り手へ着く。最初の信号を送る前に、その返事が手元に届くことになる。

返事が届いたら最初の信号を送らない、と決めておくと、送っていない信号への返事が手元にあることになり、筋が通りません。光より速く伝わるものがあると、こうした組み立てがいつでもできてしまう。

光で結べる 2 つの出来事の順序

図の つの出来事は、位置の差 、時刻の差 で、光より遅いもので結べる。順序がいれかわるには同時刻線の傾きが を越える必要があり、傾きは より小さいため、どの立場でも A が先です。

原因から結果へは、光か光より遅いものを伝って働きかけが届く。そのため原因と結果はいつもこの関係にあり、順序がいれかわることはありません。

何も運ばない点は を越えられる

何かを運ぶものが を越えると、さきほどの返事のように、原因と結果の順序が崩れる組み立てができる。物も信号も情報も、運ぶものはすべて を越えられません。

何も運ばないものなら越えられる。遠くの壁にレーザーを当てて向きを振ると、壁の上の光の点は より速く動けます。壁が月なら、 秒に ラジアン(約 度)振るだけで、点は月面を秒速 万 km で動く。

壁の右にできた点は、左にあった点から何かを受けとったわけではない。どの点もレーザーから来た光でできていて、壁に沿って伝わったものは何もありません。

2 つの原理
時間と長さ
ローレンツ変換
時空図
力学
一般相対性理論