等価原理で重力を加速として考える|一般相対性理論

窓のない箱では重力と加速を見分けられない

窓のない箱の中にいて、足は床に押しつけられ、手を離した物は床へ落ちるとする。考えられる状況は つあります。

箱が地球の上に置かれているか、重力のないところで上向きに m/s² の加速度で加速しているか。図の左右の箱の中では、物がまったく同じように落ちる。

箱の中でどんな実験をしても、この つは見分けられない。重力と加速が、少なくとも狭い範囲では区別できないことを、等価原理と呼びます。

箱ごと落とすと中では重力が消える

こんどは箱ごと自由に落とす。中の人も手に持っていた物も同じ加速度で落ちるため、手を離した物は、人から見てその場に浮いたままになります。

箱の中では重力の効果が現れず、重力のない宇宙空間に浮かんでいるときと見分けがつかない。国際宇宙ステーションの中が無重量なのも、ステーションが地球のまわりを落ち続けているためです。

慣性質量と重力質量は等しい

ニュートン力学には、質量が か所に出てくる。力を加えたときの動きにくさを決める慣性質量と、重力の強さを決める重力質量です。

つは別々の決まりから入ってきた量なのに、測るといつも等しい。 年に発表された人工衛星 MICROSCOPE の結果では、 ほどの精度で一致しています。

つが等しいため、重い物も軽い物も同じ加速度で落ちる。ニュートン力学ではこの一致に理由がなく、等価原理はこれを出発点に置きます。

重力を時空の曲がりとして書く

落ちている箱の中が重力のない世界と同じなら、自由に落ちている状態を、何も力を受けていない状態とみなせる。

すると重力は、物を引っぱる力ではなくなります。力を受けていない物は時空の中をまっすぐ進み、その「まっすぐ」の道が、重い物のまわりで曲がって見えると考える。

重力を時空の曲がりとして書く理論が、一般相対性理論です。図の上の段は重力を力として、下の段は道の曲がりとして、同じ落ち方を描いている。

重力を消せるのは狭い範囲だけ

落ちる箱を大きくすると、話が変わる。地球へ向かって落ちる つの物は、どちらも地球の中心へ向かうため、少しずつ近寄っていきます。

地表で間隔 の つの物は、 の加速度で近づく( は地球の半径)。 m なら m/s² で、この効果を潮汐力と呼びます。

潮の満ち引きも、月が地球の場所ごとに違う強さで引くことによる潮汐力で起きる。狭い範囲では消せるが広い範囲では消せないという性質は、曲がった面が狭い範囲では平らに見えるのと同じ性質です。

2 つの原理
時間と長さ
ローレンツ変換
時空図
力学
一般相対性理論