光の曲がりと重力レンズ:1919 年の日食で測った 1.75 秒角

加速する箱を横切る光は下へ曲がる

重力のないところで、窓のない箱が上向きに加速している。箱の横の壁に小さな穴を開けて、光を水平に通します。

光が箱を渡りきるまでのあいだに、箱は上へ動く。光は、入った穴の高さより下で反対側の壁に当たります。

外から見れば光はまっすぐ進んでいるが、箱の中の人には、下へ曲がった道を通ったように見える。幅 m の箱が m/s² で加速していても、光が下がるのは m ほどです。

重い物のそばで光が曲がる

等価原理から、加速する箱と重力の中の箱は見分けられない。重力の中でも、光は同じように曲がるはずです。

重い物のそばを通る光は、その物のほうへ曲がる。光に質量はないが、光が通る時空が曲がっているため、光の道も曲がります。

力で引っぱられて曲がるのではなく、時空の中をまっすぐ進んだ結果が、曲がった道として見える。

1919 年の日食の観測

太陽のすぐそばを通ってくる星の光は曲がって届き、星は本当の位置から太陽と反対側へ少しずれて見えるはず。ふだんは太陽がまぶしく、そばの星は見えません。

年、エディントンたちは皆既日食のあいだに星の位置を測った。太陽の縁でのずれに直すと、ブラジルのソブラルで 秒角、アフリカのプリンシペ島で 秒角でした。

この結果が一般相対性理論の予想に近かったことで、理論は広く知られるようになる。いまでは遠い電波源から来る電波の曲がりで、予想との一致が 万分の ほどの精度で確かめられています。

ニュートンの重力で計算した値の 2 倍

光を質量のある粒のように扱い、ニュートンの重力で太陽の縁をかすめるときの曲がりを計算すると、 秒角になる。

一般相対性理論の答えは 秒角で、ちょうど 倍です。時間の進み方の違いからくるぶんと、空間の曲がりからくるぶんが、同じ大きさずつ効くため。

倍の差は観測で区別できる大きさで、 年の値は 秒角ではなく 秒角のほうに近かった。

重力レンズ

手前に重い銀河や銀河団があると、奥の遠い銀河の光がそのまわりで曲がり、いくつもの像に分かれて見える。これを重力レンズと呼びます。

見る側、手前の重い物、奥の銀河がちょうど一直線に並ぶと、像は輪になる。アインシュタインリングと呼ばれる形です。

光の曲がり方から、手前にある質量を求められる。光を出さない暗黒物質の分布も、この方法で調べられています。

2 つの原理
時間と長さ
ローレンツ変換
時空図
力学
一般相対性理論