平らな紙の上では、平行な 本の直線はどこまで延ばしても交わらない。紙が平らであることから成り立つ性質です。
球の上で、赤道の 点からどちらもまっすぐ北へ進む。出るときの向きは平行なのに、 本の道は北極で必ず出会います。
どちらの道も曲がっていない。平らな面では、まっすぐ進むことと平行を保つことが両立し、曲がった面では両立しません。
高いところから、 つの物を少し離して同時に落とす。落ちていくあいだに、 つの間隔は少しずつ詰まります。
どちらの物も押されてはいない。 つの道がどちらも星の中心へ向かっているため、間隔が変わる。
まっすぐ進んでいるのに間隔が変わるのは、球の上の 本の道と同じ形です。落ちる箱の中に入っても、この近づき方だけは消せない。重力は、道の集まり方として時空の曲がりに書き直せます。
空間だけを曲げても、地上で物が落ちることは説明できない。投げたボールは、空間の中では大きな弧を描いて落ちます。
同じ運動を、縦軸を にとった時空図に描く。 秒の飛行は縦軸で 万 km になり、ボールが上がる m ほどは、その 億分の にも届きません。
世界線は、ほとんどまっすぐな線になる。そのわずかな反りを生んでいるのは、場所によって時間の進み方が違うことで、遅い物の落下はほとんどこの違いで決まります。
曲がった時空での「まっすぐ」を、固有時で決める。同じ つの出来事を結ぶ道のうち、途中で押された道ほど速く動くことになり、その道を行く時計は少なく進みます。
押されずに進む道の時計が、いちばん多く進む。この道を測地線と呼び、自由に落ちる物は測地線に沿って進む。
図の 本では、自由に落ちる道の時計が 、押された道の時計が 進む(図の目盛りで)。旅に出た双子の時計が遅れるのも、同じ理由です。
時空をどれだけ曲げるかを決めるのは、そこにある物質とエネルギー。その関係がアインシュタイン方程式です。
左辺が時空の曲がり、右辺が物質とエネルギーを表す。物質が時空を曲げ、曲がった時空が物質の進む道を決めます。
係数 は SI 単位で ほど。係数がこれだけ小さいため、身のまわりの物質がつくる時空の曲がりはごく小さく、星ほどの質量を集めてようやく観測できる大きさになる。