止まっている棒なら、物差しを当てて両端の目盛りを読めば長さがわかる。両端を読む時刻がずれていても、棒は動かないため答えは変わりません。
動いている棒で、後ろの端に印をつけてから前の端に印をつけると、そのあいだに棒が進んだぶんだけ長い値になります。前の端を先にすれば、こんどは短くなる。
動く棒の長さは、両端の位置を同じ時刻に読んで決める。同時の相対性により「同時」は立場ごとに違うため、長さも、どの立場で測るかによって違う値になりえます。
地面に置いた長さ の棒の端から端まで、速さ で走ります。棒が止まって見える立場で測った長さ を、固有長という。
地面の時計で測ると、走り抜けるのにかかる時間は 。
走る人は、棒の一方の端を通るときにも、もう一方の端を通るときにも、その場に居合わせる。その人が持つ時計で測った時間は固有時間で、時間の遅れの式から になります。
走る人の立場では、止まっているのは自分で、棒のほうが速さ で左へ通り過ぎていく。
棒の一方の端が自分の前を通ってから、もう一方の端が通るまでの時間は、自分の時計で 。1 か所で 2 回の通過を測るだけなので、ここでは「同時」を決める必要がありません。
この時間に棒の速さ をかけたものが、走る人から見た棒の長さ です。
動いている物の長さは、止まって見える長さ の 分の 1 になる。これをローレンツ収縮、または長さの収縮といいます。
図の点は 、、、、 の順に止まり、 は 、、、、 と小さくなる。 が に近づくほど、動いて見える長さは に近づきます。
縮んで見えるのは相手の物差しで、自分の物差しではありません。相手から見れば、こちらの物差しが縮んでいる。時間の遅れと同じく、どちらの立場にも同じことが成り立ちます。
棒に力がはたらいて縮んだわけではない。棒といっしょに動く人が測れば、長さはいつでも のままです。
縮むのは、進む向きに沿った長さだけです。進む向きと垂直な幅は、どの立場で測っても変わらない。
同じ長さの 2 本の棒 A と B が、進む向きと垂直に立ったまますれ違うとする。どちらの棒の先にも筆をつけておくと、すれ違いざまに相手の棒に印が残ります。
A の立場で B の棒が縮むなら、B の筆は A の棒の途中に印をつけ、A の筆は B の棒の上を素通りする。B の立場では逆に、A の筆が B の棒に印をつけることになります。
どちらの棒に印が残るかは 1 つに決まる事実なので、両方は成り立たない。垂直な向きでは、どちらの棒も縮みません。
動いている球の両端を同時に押さえて測ると、進む向きにだけ縮んだ形になる。目で見たときの形は、光が目に届くまでの時間の差が加わるため、これとは違って見えます。