代数曲線は多項式方程式 で表される曲線です。点 が 特異点 であるとは、次の3条件が同時に成り立つときです。
例1:結節点(ノード)
この曲線は 軸のまわりで「8の字」に似た形になります。原点 を代入すると 。偏微分は
原点でどちらも になるので、 は特異点です。この特異点は滑らかに交わる2本の枝をもち、「交差型特異点(ノード)」と呼ばれます。
例2:尖点(カスプ)
この曲線は「やじり」のように一点でとがっています。、また偏微分は
原点でいずれも なので、そこが特異点です。このように1本の枝が鋭く折れ曲がる点を カスプ(cusp) といいます。
例3:滑らかな曲線(非特異)
放物線 はどこでも滑らかです。, であり、どちらかが常に 0 ではないため、特異点は存在しません。
代数幾何学では、このように偏微分の消える点を調べることで、曲線の局所的な形や分類を理解します。