三角関数の半角の定理とは、角を半分にしたときの sin, cos, tan の値を、2倍角の式を使って表すものです。
sin2θ=±21−cosθ,cos2θ=±21+cosθ,tan2θ=±1+cosθ1−cosθ
角 2θ が第何象限にあるかによって符号が決まる。たとえば 2θ が第1象限ならすべて正、第2象限なら sin のみ正。
半角の定理は、次のように2倍角の公式から導けます。
cosθ=1−2sin22θ⇒sin2θ=±21−cosθ
応用問題
角 A が鋭角で cosA=53 のとき、sin2A と cos2A を求めなさい。
まず、cosA=53 より、sinA=54。
半角の定理より
sin2A=+21−cosA=21−53=51=51
cos2A=+21+cosA=21+53=54=52
A は鋭角なので 2A も第1象限にあり、符号はともに正。
よって
sin2A=51,cos2A=52
やや難しい応用例
三角形 ABC において、辺の長さが a=5,b=6,c=7 のとき、tan2A を求めなさい。
余弦定理より
cosA=2bcb2+c2−a2=2×6×762+72−52=8460=75
したがって
tan2A=1+cosA1−cosA=1+751−75=71272=61=61
よって tan2A=61。