英語614322 views
LaTeX962713 views
中学英語812035 views
小学社会310647 views
りんご211690 views
中学社会669002 views
小学算数1201030 views
高校化学2925825 views
ヒストリア291310 views
雑学1473717 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

小さい標本ほど裾が伸びる、t 分布の定義と自由度の意味

自由度 10 の t 分布で、両側 5% を切りわける点は 2.228 です。正規分布なら 1.960[2]

同じ 5% でも、t 分布のほうが遠くまで行かないと届きません。自由度 1 まで下がると 12.706 になる。

標本が小さいほど遠くへ行く。この伸び方が、t 分布の中身です。

定義

が独立のとき、次の量は自由度 の t 分布に従います[1]

記号は と書く。分子は標準正規、分母はカイ二乗を自由度で割って平方根をとったものです。

正規分布との違いは分母にあります。 を定数で割れば正規分布のままですが、ここでは割る相手も揺れている。

分母が揺れると、大きい値と小さい値の効き方が非対称になります。分母がたまたま小さく出た回に、 が大きく跳ねる。

で割れば になり、 で割れば 。上への振れ幅のほうが大きい。

密度関数

密度は次の形になります[1]

の入り方が だけなので、 について左右対称です。歪度は [2]

正規分布の が指数の減り方なのに対し、こちらは の負べきです。減り方がゆるく、裾が下がりきらない。

裾の重さを数字で見る

自由度 3 の t 分布で となる確率は 0.0577 です。標準正規なら 0.0027。

同じ「 の外」でも 21 倍ちがう。正規分布の感覚で外れ値を判定すると、t 分布では引っかかりすぎます。

頂点の高さも下がります。自由度 10 で の密度は 0.3891、正規分布は 0.3989。この差が両端へまわっている。

モーメントは全部そろわない

対称なので奇数次のモーメントは です。ただし「存在すれば」という但し書きがつきます。

次のモーメントが存在するのは のときだけ[1]。自由度が小さいと、次数の高いところから順に落ちていく。

分散は で次の値です。

自由度 10 なら 1.25 で、標準正規の より大きい。尖度は になります[2]

自由度 1 はコーシー分布

を密度に入れると です。コーシー分布になります[2]

この分布には平均がありません。 が発散するためです。

標本を何個集めても平均が落ち着かない。大数の法則が効かない分布が、t 分布の端に置かれています。

自由度が上がると正規分布に戻る

です。前の係数も に近づく[1]

近づき方は表で見ると早い。自由度 30 で、両側 5% の点はもう正規分布と 0.082 しか違いません。

自由度両側 5% の点正規との差
112.70610.746
52.5710.611
102.2280.268
302.0420.082
1001.9840.024

自由度 30 を超えたあたりで正規分布に置きかえてよい、という目安はここから来ます[2]

標本平均を標準化すると出てくる

からの無作為標本のとき、標本平均 と標本分散 を使った次の量が に従います[3]

母分散 が式から消えているところが要点です。分子と分母の両方に入っていて、割り算で相殺される。

が独立

3 つの部品がそろって初めて定義の形になります。どれか 1 つでも欠けると、この分布は出てきません。

例:5 個の測定から区間をつくる

測定値が 12.1、11.8、12.6、12.0、11.5 のとき、平均は 12.0 です。

偏差の平方和は なので、

標準誤差は です。自由度 4 の点は 2.776 なので、幅は

ここで正規分布の 1.960 を使うと になります。幅が 1.42 倍ちがう。母分散を知らないことの代償が、この差です。

ゴセットが 3000 枚のカードで確かめた

導いたのはギネスの醸造技師ウィリアム・シーリー・ゴセットです。小さい標本しかとれない現場から出た問題でした[3]

1908
Biometrika への発表

「The Probable Error of a Mean」を Student の名で発表した。ゴセットが同誌に出した 14 本すべてがこの筆名による。

1912
フィッシャーによる厳密な導出

ケンブリッジの学生だったフィッシャーが、 次元の幾何を使った証明をゴセットへ送った。

1925
変換のかたちが変わる

いまの という置き方はフィッシャーが導入し、のちにゴセット自身も採用した。

筆名の理由は、企業秘密というより雇用の秘密でした。ホテリングの記録では、統計家を雇っていること自体を競争相手に知られたくなかった[3]

検算の方法が変わっています。3000 人の身長と左中指の長さをカードに書き写し、よく切って 4 枚ずつ 750 組にとりわけ、組ごとに平均と標準偏差を出した。

統計学で最も早い時期のシミュレーションのひとつです[3]

証明には穴があった

ゴセットは の分布を最初の 4 つのモーメントから推し量り、カイ二乗だろうと述べています。本人が「実際の証明はないが、そう仮定して進む」と書いた[3]

この分布は 1876 年にヘルメルトがすでに導いていました。ドイツ語で出ていたため、イギリス側に伝わっていなかった。

の独立性も、示せたのは無相関までです。共分散は なので、歪みがなければ になる[3]

無相関と独立は別物です。ここが独立と同値になるのは正規分布に限る、という事実が後から確かめられました。

自由度 2 の t 分布について、正しいのはどれですか。

  • 平均も分散も存在する
  • 平均は存在するが分散は存在しない
  • 平均も分散も存在しない
__RESULT__

次のモーメントが存在するのは のときです。 では が成り立たないので分散は存在せず、1 次のモーメントは条件を満たすので平均は になります。両方とも存在しないのは のコーシー分布です。

母分散を知らないという一点だけで、正規分布の 1.960 が 2.228 に変わる。自由度は、その代償の大きさを表す数です。

参考文献

Student distribution. Encyclopedia of Mathematics.
t Distribution および Critical Values of the Student's t Distribution. NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods.
S. L. Zabell, *On Student's 1908 Article "The Probable Error of a Mean"*. Journal of the American Statistical Association 103(481), 2008.
自由度 10 で両側 5% を切りわける点は 2.228、正規分布なら 1.960。自由度 1 まで下がると 12.706 まで伸びます。分子が標準正規で分母がカイ二乗、その分母も揺れることが裾の重さを生む。自由度 3 では $|T| > 3$ の確率が 0.0577 で、正規分布の 0.0027 の 21 倍になります。$2r$ 次のモーメントは $2r < n$ のときしか存在せず、自由度 1 のコーシー分布には平均すらない。母分散を知らない代償は、5 個の測定では信頼区間の幅が 1.42 倍になるという形で出ます。ギネスの技師ゴセットが 3000 枚のカードを切って確かめたこと、$S^2$ の分布とその独立性が当時まだ証明されていなかったことまで。