雑学1473717 views
小学社会310647 views
英語614322 views
高校化学2925825 views
高校日本史190639 views
ヒストリア291310 views
中学理科1631220 views
LaTeX962713 views
教育149564 views
Computer368461 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

効果量 0.2 を拾うには 197 人(検出力と検出力関数の読み方)

効果量 0.8 の差を両側 5% で拾うなら、標本は 13 個で足ります。効果量 0.5 なら 32 個、0.2 なら 197 個。

差が半分になると、必要な数は 4 倍を超えて増えます。検出力を決めるのは差の大きさと標本の大きさで、その 2 つが を通じて掛かり合うため。

この関係を関数として書いたものが検出力関数です。

定義

検出力とは、対立仮説が正しいときに帰無仮説を棄却する確率です[1]。第二種の過誤の確率 を使えば にあたります。

対立仮説が「」のように幅を持つ場合、この確率は 1 つの数になりません。母数 ごとに値が変わります。

そこで の関数として書きます。棄却する確率を 全体の上で定めたものが検出力関数です[2]

が帰無仮説の側にあるときの は、第一種の過誤の確率にあたります。同じ関数の、見る場所が違うだけ。

検出力関数は帰無仮説の側と対立仮説の側を 1 本でつないだもの。 では 以下であることが要求され、 では大きいほどよい。

を別々の数として覚えるより、1 本の曲線として見るほうが関係が読める。

効果量という物差し

必要な標本の大きさを言うとき、差を絶対値で述べても伝わりません。「 の差」は、ばらつきが なら大きく、 なら小さい。

そこで標準偏差で割った値を使います。差をばらつきの何個ぶんかで測る形です。

これを効果量と呼びます。単位が消えるので、身長でも試験の点でも同じ物差しで比べられる。

検出力を決めるのは、この が組んだ の値です。だから が半分になると、同じ検出力を保つのに が 4 倍要ります。

例:両側検定の検出力関数

標準偏差 、標本 25 個、有意水準 5% の両側検定で、 を調べます。

真の 検出力見のがす確率
0.00.05000.9500
0.20.17010.8299
0.40.51600.4840
0.60.85080.1492
0.80.97930.0207

での値が 0.05 になっています。ここは棄却してはいけない場所なので、この値が有意水準そのもの。

から離れるほど値が上がります。差が大きいほど拾いやすい、という当たり前の内容が、曲線の傾きとして出ている。

谷の底が有意水準

両側検定の検出力関数は を底とする谷の形になります。底の高さがちょうど

を増やすと谷が細くなり、両側の立ち上がりが急になります。底の高さは変わりません。

底が動かないのは、 を固定しているためです。標本を増やしても第一種の過誤は減らない。減るのは第二種のほうだけです。

片側だと単調になる

の片側検定にすると、形が変わります。

真の 片側の検出力両側の検出力
-0.20.00410.1701
0.00.05000.0500
0.20.25950.1701
0.40.63880.5160

右側では片側のほうが高く、左側では極端に低い。 で 0.0041 しかありません。

向きを決めたぶん、決めた向きには強く、反対向きにはほとんど反応しなくなる。片側検定を選ぶことは、この形を選ぶことです。

不偏な検定

検出力関数が では 以下、 では 以上になる検定を不偏といいます[3]

対立仮説が正しい場所での棄却率が、帰無仮説が正しい場所での棄却率を下回らない、という条件です。当たり前に見えますが、成り立たない検定もあります。

片側検定を という対立仮説に当てると、 の側で検出力が を割ります。 での 0.0041 がそれです。

一様最強力な検定が存在するときは、それは必ず不偏になります[3]。有意水準 で常に棄却するだけの検定より弱くなることがないため。

多くの問題では一様最強力な検定が存在しません。不偏なものに範囲を狭めれば、その中で最強力なものが見つかる場合があります[3]

必要な標本の大きさを逆算する

検出力を先に決めて を出す形が、標本設計です。両側 5%、検出力 0.80 で計算します。

効果量必要な
0.2197
0.532
0.813
1.08

効果量 0.2 と 0.8 で 15 倍の差がつきます。 は効果量の 2 乗に反比例するため。

検出力のほうを上げると も増えます。効果量 0.5 なら、0.80 で 32 個、0.90 で 43 個、0.95 で 52 個。

上げ方が急なところに注意が要ります。0.80 から 0.95 へ 15 ポイント上げるのに、標本は 1.6 倍。天井に近づくほど高くつく。

逆に、標本の数が先に決まっている場合もあります。そのときは同じ式を逆に読み、この人数で拾える差はどれくらいまでか、を出すことになります。

拾えない大きさの差しか期待できないと分かったなら、調べる前に設計を変えるほうがよい。検出力の計算は、そのための事前の見積もりです。

0.80 という慣習

検出力 0.80 という目安はコーエンが提案したもので、理論から出た数ではありません[4]

効果量の大小の目安も同じです。 で 0.20、0.50、0.80 を小・中・大とする区切りは、量的な分析にもとづくものではない[4]

コーエンの目安

で 0.10、0.30、0.50。 で 0.20、0.50、0.80

老年学の分野で実際に測った値

で 0.12、0.20、0.32。 で 0.16、0.38、0.76

分野ごとに測り直すと、目安のほうが大きすぎることがあります。中くらいの効果を拾うのに、コーエンの数字なら 1 群 64 人、測り直した数字なら 110 人が要る[4]

慣習の数字を当てると、必要な人数を小さく見積もることになります。

観測された効果から検出力を出さない

データをとったあとで、観測された差を真の差と見なして検出力を計算する形があります。事後検出力と呼ばれます。

これは 値の言いかえにしかなりません。 が小さければ事後検出力は高く、大きければ低くなる。同じ情報を 2 通りに書いているだけです。

検出力の計算は、拾いたい差を先に決めてこそ意味を持ちます。決める根拠は統計の中にはなく、その分野で意味のある差はどれくらいか、という判断から来る。

「有意にならなかったが検出力が低かった」という書き方も、同じ循環に落ちています。有意にならなかったこと自体から、検出力が低かったと計算されているためです。

言うべきことがあるとすれば、事前に決めた差でどれだけの検出力を用意していたか、のほうです。数字は同じ式から出ますが、決めた時点が違えば意味が変わります。

両側 5% の検定で、標本の大きさを 4 倍にしました。検出力関数はどう変わりますか。

  • 谷の底が 0.05 から下がり、両側も立ち上がる
  • 谷の底は 0.05 のまま、両側の立ち上がりが急になる
  • 谷の底は 0.05 のまま、形も変わらない
__RESULT__

底の高さは有意水準そのものなので、 を変えても動きません。動くのは対立仮説の側で、 が 2 倍になったぶん同じ検出力に届く が半分になります。

は曲線の底の高さ、検出力は底から離れた場所の高さ、標本の大きさは谷の細さ。3 つとも同じ 1 本の曲線の上にあります。

出典

Power of a statistical test. Encyclopedia of Mathematics.
Statistical hypotheses, verification of. Encyclopedia of Mathematics.
Unbiased test. Encyclopedia of Mathematics.
Christopher R. Brydges, *Effect Size Guidelines, Sample Size Calculations, and Statistical Power in Gerontology*. Innovation in Aging 3(4), 2019.
効果量 0.8 なら標本 13 個、0.5 なら 32 個、0.2 なら 197 個。差が半分になると必要な数は 4 倍を超えます。検出力を決めるのは $d\sqrt{n}$ ひとつだから。棄却する確率を母数 $\theta$ の関数として書いたものが検出力関数で、両側検定では $\mu = 0$ を底とする谷になります。底の高さは有意水準そのもので、$n$ を増やしても動かない。動くのは谷の細さのほうです。片側検定にすると反対向きの差で検出力が $\alpha$ を割り、不偏でなくなる。検出力 0.80 という目安も、効果量の小中大を 0.2、0.5、0.8 とする区切りも、量的な分析から出た数ではありません。観測された差から事後に検出力を出すと $p$ 値の言いかえになる理由も。