二項定理
(a+b)n=nC0an+nC1an−1b+nC2an−2b2+⋯+nCran−rbr+⋯+nCn−1abn−1+nCnbn
2つの数の和(または差)のべき乗の展開を二項展開、二項展開の係数を二項係数という。二項定理は二項展開が上の式で表されるという定理です。また二項定理の途中に出てくる項 nCran−rbr を一般項という。
二項展開の一般項
nCran−rbr
二項定理から二項係数は
nC0, nC1, nC2, ⋯ , nCn−1, nCn
となっています。
パスカルの三角形
以下の数のピラミッドをパスカルの三角形という。
1 1 1 2 1 1 3 3 1 1 4 6 4 1 1 5 10 10 5 11 6 15 20 15 6 1
パスカルの三角形は
① 頂点を 1 1 にする
② 各行の左右の端は 1 にする
③ 各行の左右の端以外は、自分の右上と左上の数の和にする
というルールのもとで作られています。
例えば二段目の真ん中の 2 は右上の 1 と左上の 1 を足したもの、四段目の真ん中の 6 は右上の 3 と左上の 3 を足したもの、六段目の左から三番目の 15 は右上の 10 と左上の 5 を足したものになっています。
パスカルの三角形は実は二項係数のピラミッドでもある
実はパスカルの三角形
1 1 1 2 1 1 3 3 1 1 4 6 4 1 1 5 10 10 5 11 6 15 20 15 6 1
は
1C0 1C1 2C0 2C1 2C2 3C0 3C1 3C2 3C3 4C0 4C1 4C2 4C3 4C4 5C0 5C1 5C2 5C3 5C4 5C56C0 6C1 6C2 6C3 6C4 6C5 6C6
です。パスカルの三角形の各行は二項係数そのもの。
つまりパスカルの三角形を書けるようになれば、二項定理の問題が出てきても係数を簡単に計算できるわけです。
例えば (x+y)6 はパスカルの三角形の六段目から
(x+y)6=x6+6x5y+15x4y2+20x3y3+15x2y4+5xy5+y6
であるとすぐにわかります。