Urysohnの補題

Urysohnの補題は正規空間において閉集合を連続関数で分離できることを主張する定理です。位相空間論と関数解析の橋渡しとなる重要な結果です。

定理の主張

を正規空間とし、 を互いに素な閉集合とする。このとき、連続関数 で次を満たすものが存在する。

(すべての に対して)
(すべての に対して)

この関数 をUrysohn関数と呼びます。 は開集合ではなく連続関数の値によって分離されています。

証明の概略

証明は 内の二進有理数 に対して開集合 を帰納的に構成します。

まず正規性から を満たす開集合 を取ります。次に とおきます。

の間に、正規性を繰り返し用いて ならば となる開集合族 を構成します。

最後に と定めると、これが求める連続関数となります。

Urysohnの補題の意義

Urysohnの補題は「正規空間では閉集合を連続関数で分離できる」という位相的性質と関数的性質の対応を与えます。

この補題から、正規空間上では十分多くの連続関数が存在することがわかります。密着位相のように連続関数が定数しかない空間とは対照的です。

完全正規空間

Urysohn関数の存在を任意の分離された集合(必ずしも閉でない)に拡張できる空間を完全正規空間といいます。距離空間は完全正規です。

Urysohnの補題は、Tietzeの拡張定理やStone-Čechコンパクト化の構成など、位相空間論の多くの重要な結果の基礎となります。