弧状連結と連結の違い

連結性には「分離できない」という意味の連結と、「道で結べる」という意味の弧状連結があります。この2つは密接に関係しますが、一般には異なる概念です。

弧状連結の定義

位相空間 が弧状連結(path-connected)であるとは、任意の2点 に対して連続写像 を満たすものが存在することをいいます。この から への道(path)と呼びます。

弧状連結は「任意の2点を連続的につなげる」という直感的な意味での連結性を捉えています。

弧状連結ならば連結

弧状連結な空間は連結です。

が弧状連結で連結でないと仮定すると、 は空でない互いに素な開集合)と書けます。 を取り、道 を考えます。 は連結なので、像 も連結です。しかし かつ となり、 が連結であることに矛盾します。

連結だが弧状連結でない例

逆は成り立ちません。連結だが弧状連結でない空間の典型例として、位相幾何学者の正弦曲線(topologist’s sine curve)があります。

この空間は の部分空間として連結です。グラフ部分の閉包が縦の線分を含むからです。しかし、グラフ上の点から への道は存在しません。 で曲線が激しく振動するため、連続な道で到達できないのです。

弧状連結成分

を含む最大の弧状連結部分集合を の弧状連結成分といいます。連結成分と異なり、弧状連結成分は一般に閉集合とは限りません。

位相幾何学者の正弦曲線では、グラフ部分と縦線分が別々の弧状連結成分を成しますが、空間全体は1つの連結成分です。

局所弧状連結空間

各点が弧状連結な近傍基を持つ空間を局所弧状連結といいます。局所弧状連結な空間では、連結性と弧状連結性が一致します。多様体や CW 複体はこの性質を持つため、連結と弧状連結を区別する必要がありません。