コンパクト性の局所版として、各点がコンパクトな近傍を持つ空間を考えます。局所コンパクト空間は解析学や表現論で重要な役割を果たします。
局所コンパクト空間の定義
位相空間 が局所コンパクト(locally compact)であるとは、任意の点 に対して、 のコンパクトな近傍が存在することをいいます。
ハウスドルフ空間の場合、これは任意の点 と任意の近傍 に対して、 を満たす開集合 とコンパクト集合 が存在することと同値です。
局所コンパクト空間の例
は局所コンパクトです。各点 に対して閉球 がコンパクトな近傍となります。Heine-Borelの定理により、 の部分集合がコンパクトであることと有界閉集合であることは同値です。
任意のコンパクト空間は局所コンパクトです。空間全体がすべての点のコンパクトな近傍となるからです。
離散空間は局所コンパクトです。各点がコンパクトな近傍(一点集合)を持ちます。
局所コンパクトでない例
無限次元バナッハ空間は局所コンパクトではありません。無限次元ノルム空間の閉球はコンパクトでないからです。
有理数 も局所コンパクトではありません。 のコンパクト部分集合は内点を持たないことが示せます。
局所コンパクトハウスドルフ空間の性質
局所コンパクトハウスドルフ空間では多くの良い性質が成り立ちます。
開部分集合と閉部分集合は再び局所コンパクト
Baireのカテゴリー定理が成り立つ
一点コンパクト化によりコンパクトハウスドルフ空間に埋め込める
局所コンパクトハウスドルフ空間は、コンパクト空間ほど制約が強くなく、かつ十分な構造を持つため、調和解析や位相群論で基本的な舞台となります。