コンパクト化と一点コンパクト化
非コンパクト空間をコンパクト空間に埋め込む操作をコンパクト化といいます。最も基本的なコンパクト化が一点コンパクト化です。
コンパクト化の定義
位相空間 のコンパクト化とは、コンパクト空間 と埋め込み の組で、 が で稠密となるものをいいます。 を の稠密な部分空間と同一視します。
コンパクト化は一般に一意ではなく、同じ空間に対して様々なコンパクト化が存在します。
一点コンパクト化の構成
局所コンパクトハウスドルフ空間 に対して、一点コンパクト化(Alexandroff compactification) を次のように構成します。
の位相を、 の開集合全体と、( は のコンパクト集合)の形の集合全体の和集合として定めます。
直感的には、無限遠点 の近傍は「 のコンパクト集合の外側」です。
一点コンパクト化の例
の一点コンパクト化は円周 と同相です。実数直線の両端を無限遠点で貼り合わせたものと考えられます。
の一点コンパクト化は2次元球面 と同相です。これは立体射影の逆として理解できます。北極を無限遠点とする立体射影により、 と が同相になります。
複素平面 の一点コンパクト化はリーマン球面と呼ばれ、複素解析で重要な役割を果たします。
一点コンパクト化がハウスドルフとなる条件
がハウスドルフとなるのは、 が局所コンパクトかつハウスドルフのときに限ります。
が局所コンパクトでなければ、 と の点を開集合で分離できません。 がハウスドルフでなければ、 内の点どうしを分離できません。
一点コンパクト化の普遍性
一点コンパクト化は、コンパクト化として最小のものです。 の任意のコンパクト化 に対して、連続な全射 が存在し、 上で恒等写像となります。