距離化可能性の条件

距離化可能性の条件

位相空間が距離空間として実現できるかどうかを問うのが距離化可能性の問題です。Urysohnの距離化定理が基本的な判定条件を与えます。

距離化可能の定義

位相空間 が距離化可能(metrizable)であるとは、ある距離関数 が存在して、 から定まる位相が と一致することをいいます。

距離化可能な空間は距離空間の性質(完備化の存在、点列による特徴づけなど)を持ちます。

距離化可能であるための必要条件

距離空間は次の性質を満たします。

ハウスドルフ(T2)である
第一可算である(各点が可算な近傍基を持つ)
正規(T4)である
完全正則(Tychonoff)である

したがって、これらの性質を持たない空間は距離化可能ではありません。

Urysohnの距離化定理

正則空間 が距離化可能であるための必要十分条件は、 が第二可算(可算な基底を持つ)であることである。

第二可算な正則空間はハウスドルフでもあるので、条件を「正則かつ第二可算」または「T3かつ第二可算」と書けます。

証明の概略

第二可算性から可算な基底 を取ります。 となる組 は可算個あり、各組に対してUrysohn関数 を取ります。

写像 で定めると、 は埋め込みとなります。 は距離化可能(例えば )なので、 もその部分空間として距離化可能です。

一般の距離化定理

第二可算でない空間の距離化可能性については、より精密な条件があります。

Nagata-Smirnovの距離化定理

正則空間 が距離化可能 ⟺ が σ-局所有限な基底を持つ

Bingの距離化定理

正則空間 が距離化可能 ⟺ が σ-離散な基底を持つ

これらは第二可算でない距離空間(例えば非可算離散空間)も扱える一般的な判定条件です。

距離化可能でない例

Sorgenfreyの直線(下限位相)は正則かつ第一可算ですが、第二可算でなく距離化可能でもありません。その直積であるSorgenfrey平面は正規ですらありません。