同相写像は位相空間の構造を完全に保つ写像であり、位相空間論における「同じ」の概念を与えます。同相写像で保たれる性質を位相的性質といいます。
同相写像の定義
位相空間の間の写像 が同相写像(homeomorphism)であるとは、 が全単射であり、 と がともに連続であることをいいます。
同相写像が存在するとき、 と は同相(homeomorphic)であるといい、 と書きます。同相は位相空間の同値関係です。
同相写像の判定
連続な全単射が同相写像であるためには、逆写像の連続性が必要です。次の条件のいずれかが成り立てば、連続な全単射は同相写像となります。
が開写像である
が閉写像である
がコンパクトで がハウスドルフである
3番目の条件は特に有用で、コンパクト空間からハウスドルフ空間への連続な全単射は自動的に同相写像となります。
同相の例
開区間 と実数直線 は同相です。例えば が同相写像を与えます。
次元球面 から一点を除いた空間と は同相です(立体射影)。
文字 O と D は(太さを持つ曲線として)同相ですが、O と 8 は同相ではありません。
位相的性質
同相写像で保たれる性質を位相的性質(topological property)または位相不変量といいます。
コンパクト性、連結性、弧状連結性
ハウスドルフ性、正則性、正規性
第一可算性、第二可算性
稠密部分集合の存在
一方、有界性や完備性は一般には位相的性質ではありません。 と は同相ですが、有界性は異なります。ただし、距離を込めた「距離空間としての同型」では保たれます。
位相的性質でない例
距離空間の完備性は位相的性質ではありません。 は完備でなく は完備ですが、両者は同相です。完備性は距離に依存する性質です。
集合の濃度は位相的性質です。同相写像は全単射なので、濃度を保ちます。