微分形式の基礎

微分形式は余接ベクトルを一般化した概念であり、積分や外微分と自然に結びつく。多様体上の解析の基本言語である。

微分形式の定義

次元多様体とする。 上の -形式(-form)とは、各点 -重線型交代形式 個の引数)を滑らかに対応させるものである。

-形式全体を と書く。

低次の微分形式

-形式は滑らかな関数 である。 となる。

-形式は各点で余接ベクトルを与えるものである。局所座標 と書ける。

-形式は各点で2つの接ベクトルを取り、反対称に実数を返す。 と書ける。

外積

, に対して、外積 が定義される。

(次数付き可換)
(結合律)
(関数との積)

座標表示

局所座標 において、-形式は

と一意に書ける。 であり、 である。

-形式と体積形式

次元多様体上の -形式は最高次の形式である。局所座標では

の形になる。向き付け可能な多様体には、どこでも零にならない -形式(体積形式)が存在する。

外微分

外微分 は次の性質を満たす線型作用素である。

に対して は通常の微分
(Leibniz則)

外微分の座標表示

は添字の組)に対して

となる。

閉形式と完全形式

を満たす を閉形式(closed form)という。

の形で書ける を完全形式(exact form)という。

より、完全形式は閉形式である。逆は一般に成り立たない。

Poincaréの補題

上(より一般に可縮な空間上)では、閉形式は完全形式である。

すなわち ならば となる が存在する。これは de Rham コホモロジーが自明であることを意味する。

微分形式の引き戻し

滑らかな写像 に対して、引き戻し が定義される。

引き戻しは外積と外微分と可換である。,

微分形式の積分

向き付けられた 次元多様体 上の -形式 は積分できる。座標近傍では

として定義し、1の分割で大域化する。