内部積とリー微分はベクトル場と微分形式の関係を記述する演算である。Cartanの公式でこれらは結びつく。
内部積の定義
ベクトル場 と -形式 に対して、内部積(interior product) を
で定義する。 を の第一引数に「挿入する」操作である。
-形式(関数)に対しては と定める。
内部積の性質
内部積は次の性質を満たす。
は線型:
( は関数)
( は -形式)
4番目の性質は、 が次数 の反導分(antiderivation)であることを示す。
内部積の座標表示
, のとき
は を省くことを意味する。
リー微分の定義
ベクトル場 によるリー微分(Lie derivative) は、 の流れに沿った「変化率」を測る。
テンソル場 に対して
で定義する。 は の時刻 の流れ(flow)である。
関数のリー微分
関数 に対して である。
これは の 方向の方向微分に他ならない。
ベクトル場のリー微分
ベクトル場 に対して (リー括弧)となる。
リー括弧は で定義される。
微分形式のリー微分
-形式 に対して
より高次の形式にも同様に定義が拡張される。
Cartanの公式
微分形式に対するリー微分は、外微分と内部積で表される。
これを Cartan の公式(Cartan's magic formula)という。 である。
Cartanの公式の証明
, がともに次数 の導分であり、関数上で一致し、 上でも一致することを確認すればよい。導分は生成元での値で決まる。
リー微分の性質
は線型
(Leibniz則)
不変微分形式
のとき、 は の流れで不変であるという。
Cartan の公式から、 が閉形式で ならば である。
キリングベクトル場
リーマン多様体 において、 を満たすベクトル場 をキリングベクトル場という。
キリングベクトル場は計量を保つ等長変換を生成する。