部分多様体と埋め込み

部分多様体は多様体の中に埋め込まれた多様体である。埋め込みとはめ込みは、多様体の間の写像の正則性を記述する。

部分多様体の定義

次元多様体 の部分集合 次元部分多様体(submanifold)であるとは、各点 の近傍で 個の座標で記述できることをいう。

より正確には、 の座標近傍

となるものが存在する。

部分多様体の例

内の球面 次元部分多様体である。

内の円 次元部分多様体である。

の開部分多様体である。

はめ込みの定義

滑らかな写像 がはめ込み(immersion)であるとは、各点 で微分 が単射となることをいう。

はめ込みは局所的に「次元を落とさない」写像である。

はめ込みの例

, を考える。 であり、 だが、 となる。これははめ込みではない。

から へのはめ込みである(周期的なので単射ではない)。

埋め込みの定義

滑らかな写像 が埋め込み(embedding)であるとは、 がはめ込みであり、 が位相空間として同相であることをいう。

はめ込み

微分が各点で単射。局所的に「きれいに」入る。自己交差を許す。

埋め込み

はめ込みかつ像への同相。大域的にも「きれいに」入る。自己交差なし。

埋め込みの例

包含写像 は埋め込みである。

から への写像 ははめ込みだが埋め込みではない(像は だが、 は同相でない)。

8の字曲線

, は8の字型の曲線を描く。

これははめ込みである()が、像が原点で自己交差するため、埋め込みではない。

閉はめ込み

はめ込み で、 が固有写像(コンパクト集合の逆像がコンパクト)であり、 が単射ならば、 は埋め込みである。

特に、 がコンパクトで が単射なはめ込みならば埋め込みとなる。

接空間と部分多様体

が部分多様体で、包含 が埋め込みのとき、

と同一視できる。 の部分空間である。

法束

埋め込み に対して、各点 での法空間は

である。リーマン多様体では内積を用いて とも定義できる。

法空間を集めた法束 はベクトル束をなす。

Whitney の埋め込み定理

任意の 次元多様体は に埋め込める。また にはめ込める。

は最良であり、 に埋め込めない(はめ込みは可能)。