曲率テンソルは空間の曲がり具合を測るテンソル場である。平行移動の経路依存性として幾何学的に解釈できる。
曲率テンソルの定義
リーマン曲率テンソル(Riemann curvature tensor)は
で定義される。これはベクトル場 に対してベクトル場 を返す。
テンソル性
は のそれぞれについて -線型である。
したがって は -型テンソルである。
座標表示
座標基底 に対して
と書く。成分は
で与えられる。
平行移動との関係
曲率は平行移動の経路依存性を測る。小さな平行四辺形に沿って平行移動すると、元の位置に戻っても接ベクトルがずれる。
において が張る微小平行四辺形に沿って を平行移動すると、そのずれは に比例する( は辺の長さ)。
リーマン曲率テンソル(4階)
計量を用いて添字を下げた
をリーマン曲率テンソルともいう。これは -型テンソルである。
対称性
リーマン曲率テンソルは次の対称性を持つ。
(第3・4添字の反対称性)
(第1・2添字の反対称性)
(前半と後半の対称性)
(第一 Bianchi 恒等式)
独立成分の個数
次元では、上の対称性を考慮すると独立な成分は 個である。
では 個、 では 個、 では 個となる。
2次元の場合
では曲率テンソルは Gauss 曲率 で完全に決まる。
Gauss 曲率は曲面論における基本的な量である。
平坦性
となる多様体を平坦(flat)という。
局所的に であることと、各点の近傍が と等長的であることは同値である。
第二 Bianchi 恒等式
共変微分を取ると
が成り立つ。これを第二 Bianchi 恒等式という。リッチ曲率やスカラー曲率の発散公式を導く基礎となる。
曲率作用素
(2-ベクトル空間)上の線型作用素
を曲率作用素という。対称性 は が自己随伴であることを意味する。