Gauss-Bonnetの定理は曲率と位相を結びつける深い定理である。曲面上の Gauss 曲率の積分が Euler 標数という位相不変量で決まることを主張する。
局所 Gauss-Bonnet
曲面 上の測地三角形 を考える。3辺がすべて測地線で、内角を とする。このとき
が成り立つ。Gauss 曲率の積分は内角の和の「 からのずれ」に等しい。
平坦な場合
(平面)では となり、ユークリッド幾何の三角形の内角の和を回復する。
では内角の和が より大きく、 では より小さい。
球面の例
半径 の球面上で、北極と赤道上の2点を結ぶ測地三角形を考える。3つの内角がすべて の三角形が取れる。
面積は (球面の )であり、 なので積分値と一致する。
曲線の測地曲率
曲面上の曲線 の測地曲率 は、曲線が曲面内でどれだけ曲がっているかを表す。
測地線は である。平面内の曲線では測地曲率は通常の曲率に一致する。
一般の領域
を曲面上のコンパクト領域で、境界 が区分的に滑らかな曲線とする。境界の外向き角を (外角)とすると
が成り立つ。
大域 Gauss-Bonnet
がコンパクトで境界のない曲面(閉曲面)のとき、
が成り立つ。 は の Euler 標数である。
Euler標数
閉曲面の Euler 標数は位相的に決まる。向き付け可能な種数 の閉曲面では
である。球面は で 、トーラスは で 。
球面の検証
半径 の球面では であり、面積は である。
トーラスの検証
トーラスは である。Gauss-Bonnet から
トーラスには の領域(外側)と の領域(内側)があり、積分すると打ち消し合う。
位相的帰結
Gauss-Bonnet の定理から、 至るところで正の閉曲面は 、すなわち球面に同相である。
の閉曲面は なので、トーラスか種数 以上の曲面である。
高次元への一般化
Gauss-Bonnet の定理は高次元多様体に一般化される。 次元多様体では Pfaffian を用いた Euler 類の積分が に等しい。
これを Chern-Gauss-Bonnet の定理という。
指数定理との関係
Gauss-Bonnet の定理は Atiyah-Singer の指数定理の特殊な場合とみなせる。
Euler 標数は de Rham 作用素 の指数と一致する。