ベクトル束上の接続は、束の切断を微分する方法を与える。接束に限らない一般のベクトル束で共変微分を定義し、曲率やホロノミーの理論へと発展する。
ベクトル束の復習
ベクトル束 は、各点 にベクトル空間 (ファイバー)を対応させ、局所的に と同型になる空間である。
を束の階数(rank)という。切断 は各点でファイバーの元を選ぶ写像である。
接続の定義
ベクトル束 上の接続(connection)または共変微分は、ベクトル場 と切断 に対して切断 を返す演算で、次を満たすものである。
接束の場合
(接束)のとき、接続はベクトル場からベクトル場への微分を与える。Levi-Civita 接続はこの特別な場合である。
局所表示
の局所自明化 において、フレーム を取る。接続は
で定まる。 は 上の -形式であり、接続 -形式という。
接続行列
接続 -形式を行列にまとめて と書く。これは -値 -形式である。
切断 に対して
となる。
フレームの変換
フレームを ()と変換すると、接続行列は
と変換される。これはゲージ変換と呼ばれる。
接続の存在
任意のベクトル束に接続が存在する。1の分割を用いて局所的な接続を貼り合わせればよい。
接続は一意ではなく、-値 -形式の分だけ自由度がある。
計量と両立する接続
にファイバー計量 が入っているとき、
を満たす接続を計量接続という。接続行列は反対称 (直交フレームで)となる。
平行移動
曲線 に沿って、 を満たす切断 を平行切断という。
初期値 を与えると、平行切断は一意に定まり、平行移動
が定義される。
平行移動と線型性
平行移動は線型同型である。計量接続の場合、平行移動は内積を保つ。
主束との関係
階数 のベクトル束は、構造群 を持つ主束 と標準表現の組み合わせで構成できる。
ベクトル束の接続は主束上の接続(主接続)と対応する。ゲージ理論では主束の言葉が使われる。