曲率形式

曲率形式はベクトル束の接続から定まる -形式であり、接続の「曲がり具合」を測る。リーマン曲率テンソルの一般化であり、特性類の構成に用いられる。

曲率の定義

ベクトル束 上の接続 に対して、曲率(curvature)

で定義する。 の各ファイバー上の自己準同型を与える。

テンソル性

のそれぞれについて -線型である。

したがって -値 -形式、すなわち である。

接続行列との関係

局所フレーム で接続行列 を取ると、曲率形式は

で与えられる。成分では

となる。これを構造方程式という。

ゲージ変換

フレームを で変換すると、曲率形式は

と変換される。-値 -形式として随伴表現で変換する。

平坦接続

となる接続を平坦接続という。

平坦接続では、平行移動が経路のホモトピー類のみに依存する(後述)。局所的には自明な接続と同型である。

Bianchi恒等式

曲率形式は Bianchi 恒等式

を満たす。外微分を と定義すると、 と書ける。

接束の場合

で Levi-Civita 接続を取ると、曲率形式はリーマン曲率テンソル に対応する。

線束の場合

階数 のベクトル束(線束)では、 となり、曲率形式は通常の -形式である。

複素線束では曲率形式を 倍して実 -形式とすることが多い。

曲率とトポロジー

曲率形式の積分は位相不変量を与える。線束 上の曲率 に対して

は第一 Chern 類であり、 の位相を決定する。

曲率の不変多項式

は閉形式であり、そのコホモロジー類は接続の取り方によらない。

これが Chern-Weil 理論の基礎であり、特性類を曲率から構成する。

Yang-Mills方程式

物理学では、曲率形式を場の強さ(field strength)という。Yang-Mills 方程式

は曲率形式の「発散」がゼロという条件であり、ゲージ場の運動方程式を与える。

反自己双対接続

4次元多様体で (反自己双対)を満たす接続をインスタントンという。

インスタントンは Yang-Mills 方程式を満たし、トポロジーと解析を結びつける重要な対象である。