Chern-Weil理論入門

Chern-Weil 理論は曲率形式から特性類を構成する方法を与える。微分幾何学と代数的位相幾何学を結びつける美しい理論である。

特性類とは

特性類(characteristic class)はベクトル束の位相的不変量をコホモロジー類として表現したものである。

に対して、特性類 は連続的な変形で不変であり、束の「ねじれ」を測る。

不変多項式

上の不変多項式とは、

を満たすものである。多項式を同次 次に制限したものを と書く。

不変多項式の例

基本的な不変多項式として次がある。

トレース:(1次)
トレースの冪: 次)
行列式: 次)
対称関数: の固有値の 次基本対称式)

Chern-Weil 準同型

ベクトル束 の接続 と曲率形式 に対して、 次不変多項式 から -形式

が定まる。 を行列として に代入し、外積で計算する。

閉形式であること

は閉形式 である。

Bianchi 恒等式 の不変性から従う。

接続に依存しないこと

のコホモロジー類 は接続 の選び方によらない。

異なる接続 を線型に補間し、ホモトピー公式を用いて示される。

Chern類

複素ベクトル束 に対して、 次 Chern 類

で定義される。 次基本対称式であり、 は正規化因子である。

全 Chern 類

全 Chern 類

と表される。

線束の場合

線束 (階数 の複素ベクトル束)では である。

への持ち上げは線束を完全に分類する。

Pontryagin類

実ベクトル束 に対して、複素化 の Chern 類から Pontryagin 類 が定まる。

Euler類

向き付けられた実ベクトル束 (階数 )に対して Euler 類 が定まる。

曲率形式の Pfaffian として

と表される。

Gauss-Bonnetとの関係

接束 次元向き付け可能多様体)に対して、Euler 類の積分は Euler 標数を与える。

これは Gauss-Bonnet の定理()の一般化である。

障害理論との関係

特性類は束の切断や構造の存在に対する障害を与える。

ならば は非零の切断を持たない。 ならば は向き付け不可能である。