テイラー展開の計算問題を通じて、展開の手順と応用を身につける。
問題1:基本的なマクローリン展開
f(x)=e−x2 のマクローリン展開を x6 の項まで求めよ。
解答1
eu=1+u+2!u2+3!u3+⋯ に u=−x2 を代入する。
e−x2=1+(−x2)+2!(−x2)2+3!(−x2)3+⋯
=1−x2+2x4−6x6+⋯
直接微分して係数を求めるより、既知の展開を利用する方が圧倒的に楽である。
問題2:積のテイラー展開
f(x)=exsinx のマクローリン展開を x4 の項まで求めよ。
解答2
ex=1+x+2x2+6x3+24x4+⋯
sinx=x−6x3+⋯
積を計算して x4 までの項を集める。
exsinx=(1+x+2x2+6x3+⋯)(x−6x3+⋯)
x1 の項:1⋅x=x
x2 の項:x⋅x=x2
x3 の項:2x2⋅x+1⋅(−6x3)=2x3−6x3=3x3
x4 の項:6x3⋅x+x⋅(−6x3)=6x4−6x4=0
exsinx=x+x2+3x3+O(x5)
問題3:x=a でのテイラー展開
f(x)=lnx の x=1 におけるテイラー展開を n 次の項まで求めよ。
解答3
f(x)=lnx, f(1)=0
f′(x)=x1, f′(1)=1
f′′(x)=−x21, f′′(1)=−1
f′′′(x)=x32, f′′′(1)=2
f(n)(x)=xn(−1)n−1(n−1)!, f(n)(1)=(−1)n−1(n−1)!
lnx=n=1∑∞n(−1)n−1(x−1)n=(x−1)−2(x−1)2+3(x−1)3−⋯
収束域は 0<x≤2 である。
問題4:極限への応用
x→0limx2ex−1−x を求めよ。
解答4
ex=1+x+2x2+6x3+⋯ より
ex−1−x=2x2+6x3+⋯=x2(21+6x+⋯)
x2ex−1−x=21+6x+⋯→21(x→0)
ロピタルの定理より、テイラー展開の方が見通しがよい場合が多い。
問題5:近似値の計算
1.1 の近似値を x=0.1 として3次の項まで使って求めよ。
解答5
(1+x)1/2=1+21x−81x2+161x3+⋯
x=0.1 を代入する。
1.1≈1+20.1−80.01+160.001
=1+0.05−0.00125+0.0000625=1.0488125
真の値は 1.1=1.04880885... であり、かなり精度が高い。