数列の極限の計算問題を通じて、様々な極限計算のテクニックを身につける。
問題1:基本的な極限
n→∞lim2n2−n+4n2+3n+1 を求めよ。
解答1
分母・分子を n2 で割る。
2n2−n+4n2+3n+1=2−n1+n241+n3+n21
n→∞ で n1,n21→0 なので
n→∞lim2n2−n+4n2+3n+1=2−0+01+0+0=21
問題2:根号を含む極限
n→∞lim(n2+n−n) を求めよ。
解答2
有理化する。
n2+n−n=n2+n+n(n2+n−n)(n2+n+n)=n2+n+nn2+n−n2
=n2+n+nn=1+n1+11
n→∞ で
n→∞lim(n2+n−n)=1+11=21
問題3:指数関数型
n→∞lim(1+n2)n を求めよ。
解答3
(1+m1)m→e を利用する。m=2n とおくと
(1+n2)n=(1+m1)2m=[(1+m1)m]2→e2
問題4:階乗を含む極限
n→∞limnnn! を求めよ。
解答4
nnn!=n⋅n⋅n⋯n1⋅2⋅3⋯n=n1⋅n2⋅n3⋯nn
各因子は nk≤1 で、n1→0 なので
0≤nnn!≤n1→0
はさみうちの原理より n→∞limnnn!=0。
問題5:漸化式で定まる数列
a1=1, an+1=2+an で定まる数列 {an} の極限を求めよ。
解答5
極限が存在すると仮定して limn→∞an=α とおく。
an+1=2+an で n→∞ とすると α=2+α。
両辺を2乗して α2=2+α、α2−α−2=0、(α−2)(α+1)=0。
an>0 より α=2。
極限の存在は、{an} が単調増加かつ上に有界(an<2)であることから従う(証明略)。
問題6:積の極限
n→∞limk=1∏n(1+k21) を求めよ。
解答6
1+k21=k2k2+1=k2(k−1)(k+1)+2
これは複雑なので別のアプローチを取る。
k=1∏nk2k2+1=k=1∏nk2k2+1
対数を取る:∑k=1nln(1+k21)≈∑k=1nk21 は収束(→6π2)。
したがって積は有限値に収束する。正確な値は
k=1∏∞(1+k21)=πsinhπ
問題7:ε-N 論法
n→∞limn1=0 を ε-N 論法で示せ。
解答7
任意の ε>0 に対して、N=⌈ε1⌉(ε1 以上の最小の整数)と取る。
n>N のとき
n1−0=n1<N1≤ε
よって n→∞limn1=0。
問題8:Cauchy列
an=∑k=1nk!1 が Cauchy 列であることを示せ。
解答8
m>n のとき
∣am−an∣=k=n+1∑mk!1<k=n+1∑m2k−11<k=n+1∑∞2k−11=2n−11
k!≥2k−1(k≥1)を用いた。
任意の ε>0 に対して、N を 2N−11<ε となるよう取れば、m>n>N で ∣am−an∣<ε。
よって {an} は Cauchy 列であり、R の完備性から収束する(極限は e−1)。