ロピタルの定理を用いた極限計算の問題を練習する。不定形の判定と適用条件に注意する。
問題1:00 型
x→0limx3sinx−x を求めよ。
解答1
x→0 で分子・分母ともに 0 に収束するので 00 型。ロピタルの定理を適用。
x→0limx3sinx−x=x→0lim3x2cosx−1
まだ 00 型なので再度適用。
=x→0lim6x−sinx=x→0lim6−cosx=−61
問題2:∞∞ 型
x→∞limexx2 を求めよ。
解答2
x→∞ で分子・分母ともに ∞ なので ∞∞ 型。
x→∞limexx2=x→∞limex2x=x→∞limex2=0
指数関数は多項式より速く増大する。
問題3:0⋅∞ 型
x→0+limxlnx を求めよ。
解答3
x→0+ で x→0, lnx→−∞ なので 0⋅∞ 型。変形して ∞∞ 型にする。
x→0+limxlnx=x→0+lim1/xlnx
ロピタルの定理を適用。
=x→0+lim−1/x21/x=x→0+lim(−x)=0
問題4:∞−∞ 型
x→0lim(sinx1−x1) を求めよ。
解答4
通分して 00 型にする。
sinx1−x1=xsinxx−sinx
x→0limxsinxx−sinx=x→0limsinx+xcosx1−cosx
=x→0limcosx+cosx−xsinxsinx=20=0
問題5:1∞ 型
x→0lim(1+x)1/x を求めよ。
解答5
y=(1+x)1/x とおき、lny=xln(1+x) を考える。
x→0limxln(1+x)=x→0lim11/(1+x)=1
lny→1 より y→e。
問題6:00 型
x→0+limxx を求めよ。
解答6
y=xx とおき、lny=xlnx。問題3より xlnx→0。
lny→0 より y→e0=1。
問題7:∞0 型
x→∞limx1/x を求めよ。
解答7
y=x1/x とおき、lny=xlnx。
x→∞limxlnx=x→∞lim11/x=0
lny→0 より y→1。
問題8:ロピタル適用不可の例
x→∞limxx+sinx を求めよ。
解答8
ロピタルを形式的に適用すると lim11+cosx となるが、cosx は振動して極限が存在しない。
しかし元の極限は存在する。
x→∞limxx+sinx=x→∞lim(1+xsinx)=1+0=1
ロピタルの定理は「微分した極限が存在すれば」使えるが、存在しなくても元の極限は存在しうる。
問題9:繰り返し適用
x→0limx3ex−1−x−2x2 を求めよ。
解答9
3回ロピタルを適用する。
x→0limx3ex−1−x−2x2=x→0lim3x2ex−1−x=x→0lim6xex−1=x→0lim6ex=61
これは ex=1+x+2x2+6x3+O(x4) のテイラー展開からも確認できる。
問題10:三角関数の極限
x→0limx3tanx−sinx を求めよ。
解答10
tanx−sinx=cosxsinx−sinx=sinx⋅cosx1−cosx
x→0limx3cosxsinx(1−cosx)=x→0limxsinx⋅x21−cosx⋅cosx1
xsinx→1, x21−cosx→21, cosx1→1
答えは 1⋅21⋅1=21