収束するのか発散するのか?広義積分の判定と計算
で、 は発散します。指数が 違うだけで結果が分かれる。
境目は です。無限区間では で収束し、原点の近くでは で収束します。向きが逆になる点が要です[1]。
以下は 問です。両方の型の基本から始め、比較判定、条件収束、ガンマ関数、主値まで並べました。
2 つの型と、境目
広義積分は 種類あります[1]。
。上端を として の極限をとる
で が の近くで発散。下端を として の極限をとる
どちらも極限として定義します。極限が有限なら収束、そうでなければ発散です。
境目を で見ます。遠方では が大きいほど速く減るので有利、原点では が小さいほど穏やかなので有利になる。

問題 1:無限区間で収束する
を計算せよ。
解答 1
上端を にして極限をとります。
で に収束します。区間は無限ですが、面積は有限です。
問題 2:無限区間で発散する
が発散することを示せ。
解答 2
同じ手順です。原始関数が対数になる。
は に近づくのに、面積は有限に収まりません。 への近づき方が遅すぎるためです。
問題 3:p の境目
の収束条件を求めよ。
解答 3
なら原始関数は です。
で が に行くのは 、つまり のときになります。
は問題 で発散でした。まとめると で収束、 で発散です[1]。
問題 4:原点で発散する場合
を計算せよ。
解答 4
で被積分関数が発散します。下端を にして極限をとる。
高さは無限に伸びますが、面積は で収まります。 なので収束する側です。
問題 5:原点で発散して収束しない
が発散することを示せ。
解答 5
は で収束、 で発散です[1]。無限区間のときと不等号の向きが逆になります。
は両側で発散する、と覚えると境目を思い出せます。
問題 6:指数関数
を計算せよ。
解答 6
指数はどんなべきよりも速く減るので、 も がいくつでも収束します。
問題 7:逆正接
を計算せよ。
解答 7
原始関数は です。
両側に伸ばせば です。被積分関数が と同じ速さで減るので、収束します。
問題 8:ガウス積分
を示せ。
解答 8
原始関数が初等関数で書けないので、 乗して重積分に直します。
極座標に移すと面積要素から が出ます。
なので です。 変数では手が出ない積分が、 変数にすると解けます。
問題 9:比較判定
の収束を判定せよ。
解答 9
原始関数は求めません。上から押さえて、押さえた側の収束を見ます[1]。
なら から です。
が収束するので、この積分も収束します。数値では から までで ほどです。
判定だけなら、被積分関数を計算する必要はありません。押さえが見つかるかどうかだけを考えます。
問題 10:条件収束
が収束し、絶対収束しないことを示せ。
解答 10
収束は部分積分で示します。
第 項は で に収束します。第 項は で絶対収束する。
絶対値のほうを見ます。各山ごとに下から押さえます。
右辺の和は調和級数の定数倍で発散します。よって絶対収束しません。
正と負が打ち消し合って収束する、という形です。 から までなら値は になります[1]。
問題 11:両端が特異
を計算せよ。
解答 11
でも でも発散します。 と置きます。
、 です。
被積分関数が丸ごと消えました。 と の両方が の端に移り、特異点がなくなります。
両端に特異点があるときは、途中で区間を割って別々に極限をとります。ここでは置換で 度に片づきました。
問題 12:ガンマ関数
を示せ。
解答 12
部分積分します。、 です。
境界項は両端とも になります。指数が多項式を押さえるからです。
から、帰納法で です。
で数値計算すると になり、 と合います。階乗を実数へ伸ばした関数がガンマ関数です。
問題 13:収束する指数の範囲
が収束する の範囲を求めよ。
解答 13
区間を つに割ります。 と です。
原点の近くでは なので、 の振る舞いで決まります。 なら収束です。
遠方では指数が効き、 がいくつでも収束します。多項式より速く減るからです。
したがって条件は になります。 の定義域が より大きい側に限られるのは、この事情です。
問題 14:主値
について、広義積分としての値と主値を述べよ。
解答 14
の左右を別々に極限へ飛ばします。
と を独立に へ近づけると、和は何にでもなります。広義積分としては発散です。
と揃えて近づけると和は になります。これをコーシーの主値といいます[1]。
主値が存在しても、広義積分が収束したことにはなりません。 つを区別して書きます。
問題 15:判定を誤る例
を「偶関数だから 」として計算するとどうなるか。
解答 15
は なので発散します。 倍しても発散のままです。
対称性を使う式自体は正しく、結論も発散で合っています。誤りやすいのは、原始関数をそのまま代入する場合です。
正の関数を積分して負の値が出ました。区間の内側に特異点があるのに、そこを飛び越えて代入したためです。
積分の前に、区間の内側で被積分関数が発散しないかを確かめます。原始関数の代入は、そのあとです。
つまずきやすいところ
判定の向きと、特異点の位置で誤ります。
無限区間では 、原点では です。向きが逆になります。
のように、端でなく途中で発散する場合があります。
主値が存在しても収束したことにはなりません。
は収束しますが、絶対値では発散します。
まず特異点の場所を書き出し、次に を数える。この 段で、ほとんどの判定が終わります。
が収束する はどれですか。
- そのような はない
よくある誤り
特異点の場所と の値。この つを先に書き出せば、判定は機械的に終わります。
参考文献
[1] が広義積分の つの型・ 判定・比較判定・主値・ の積分、[2] がガンマ関数、[3] がガウス積分、[4] がドイツ語での定式化、[5] がディリクレ積分です。










原点の近くでは p<1、遠方では p>1 が要ります。2 つを同時に満たす p はありません。区間を割って両端を別々に見ると分かります。