標準正規分布は正規分布の中でも特に重要な分布で、平均 0、分散 1 の正規分布を指します。任意の正規分布は標準化という操作によって標準正規分布に変換でき、これにより確率計算が統一的に行えるようになります。
標準正規分布の定義
確率変数 が標準正規分布に従うとき、 と書きます。その確率密度関数は
で与えられます。この関数は原点で最大値 をとり、 に関して対称です。
標準化の方法
のとき、変換
によって得られる は標準正規分布 に従います。この操作を標準化といいます。
標準化の意味を考えると、 で平均を 0 に移動し、 で割ることで分散を 1 にしています。標準化された値 は、元の値が平均から標準偏差何個分離れているかを表しており、 スコアとも呼ばれます。
累積分布関数
標準正規分布の累積分布関数は
で定義されます。この積分は初等関数では表せないため、数表やコンピュータを用いて計算します。
対称性より が成り立ちます。また です。
確率計算への応用
のとき、 を求めるには標準化を用います。
このようにして、任意の正規分布に関する確率計算を標準正規分布の数表に帰着させることができます。