指数分布とポアソン過程

指数分布は「次のイベントが起こるまでの待ち時間」をモデル化する連続確率分布です。ポアソン過程と密接に関連しており、ランダムに発生する事象の時間間隔を記述するのに適しています。

指数分布の定義

パラメータ の指数分布に従う確率変数 の確率密度関数は

で与えられます。 では です。 は単位時間あたりのイベント発生率を表します。

累積分布関数は

となり、 です。

期待値と分散

が指数分布 に従うとき、期待値と分散は

です。 が大きいほどイベントが頻繁に起こり、待ち時間の期待値は小さくなります。

無記憶性

指数分布の最も重要な性質は無記憶性です。これは、すでに時間 だけ待ったという条件のもとで、さらに時間 以上待つ確率が、最初から時間 以上待つ確率と等しいことを意味します。

この性質を持つ連続分布は指数分布に限られます。

ポアソン過程との関係

ポアソン過程は、時間軸上でランダムにイベントが発生する確率過程です。単位時間あたり平均 回のイベントが起こるとき、時間 に発生するイベント数 はポアソン分布 に従います。

このとき、連続するイベント間の時間間隔は互いに独立で、それぞれ指数分布 に従います。つまり、ポアソン過程における待ち時間の分布が指数分布です。

具体例として、1時間に平均5回電話がかかってくるコールセンターでは、次の電話までの待ち時間は (1時間あたり)の指数分布に従い、期待値は 時間 = 12分となります。