正規分布の定義と性質

正規分布(ガウス分布)は統計学において最も重要な連続確率分布です。自然界や社会現象における多くのデータが正規分布に従うことが知られており、中心極限定理によってその普遍性が理論的にも裏付けられています。

正規分布の定義

連続確率変数 が平均 、分散 の正規分布に従うとき、 と書きます。その確率密度関数は次のように定義されます。

この関数は で最大値をとり、 から離れるにつれて急速に減少します。グラフは左右対称な釣鐘型(ベルカーブ)を描きます。

正規分布の性質

正規分布には以下のような重要な性質があります。

期待値と分散については、 のとき

が成り立ちます。つまりパラメータ はそのまま期待値と分散を表しています。

線形変換に関しては、 のとき、)とすると

となります。正規分布は線形変換で閉じています。

再生性については、 が独立ならば

が成り立ちます。独立な正規分布の和は再び正規分布に従います。

確率密度関数の積分

正規分布の確率密度関数の全区間での積分が 1 になることは、ガウス積分

を用いて証明できます。この積分は極座標変換を使った巧妙な方法で計算されます。